昨年の日ハムは6月9日から同26日にかけて首位ソフトバンクに10ゲーム以上も離されていたが、6月19日から7月11日の間に15連勝して勢いに乗った。終盤の9月21、22日のソフトバンク戦に連勝して首位の座を固めた日本ハムはそのままトップでゴール。続く日本シリーズも制して10年ぶりの日本一に輝いた。一方の広島は6月12日現在で首位とはいえ貯金はわずかに5だったが、14日からの11連勝で首位の座を固め、最後は2位の巨人に17.5ゲームの大差をつけた。両チームとも劇的な優勝を遂げたが、今季は楽観を許さない。広島は投手陣の精神的支柱だった黒田博樹がユニフォームを脱ぎ、日本ハムも大谷翔平のWBC不出場のニュースが伝えられた。昨年の優勝球団は開幕前から試練に見舞われて2017年をスタートする。 日本一をもたらしたチームの成熟した戦略
シーズン中盤から先発に転向した増井。この男の活躍も球史に刻んだミラクル逆転Vの推進力になったのは間違いない
見事な逆転優勝を成し遂げた昨年の日本ハムだが、戦力自体もチーム打率、防御率、盗塁数ともにパ・リーグ1位であり、攻守走に非の打ちどころがないバランスの取れたチームであった。ほかにも目に見えないところで強さを発揮している。例えば投球数である。
ソフトバンク戦で、ソフトバンク投手陣は日本ハム打線に3988球を投げていたのに対し、日本ハムの投手はソフトバンク打線に3770球しか投げていない。ソフトバンクが選んだ四球は89個だったのに対し、日本ハムは77四球。ソフトバンクが12四球も多いのだから日本ハムの投手の投球数のほうが多くて当たり前のはずだが、実際には相手よりも216球も少ない。(A表参照)
日本ハムの打者たちには、チームの戦略の1つである・・・
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