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記録の手帳 / 千葉功

2017年の巨人を安泰にする、頼れる「四番打者」は現れるのか

 

かつてセ・リーグの打点王は、1962年から78年まで17年間も巨人のON砲が独占していた。この2人が消えてから40年近くになるが、巨人で打点王になったのは7人であり、2年続けたのは1人もいない。しかも2012年の阿部慎之助を最後に4年間も打点王は巨人から誕生していない。巨人の四番は日本の四番と呼ばれた時代は、もう戻らないのだろうか。

今シーズンの四番最有力候補の1人である阿部慎之助。新助っ人のマギーもチームに加わったが、誰が四番の座を担うのかに注目していきたい


巻き返しが待たれる巨人の四番候補たち


 昨年のセ・リーグの打点5傑の顔ぶれはこうである。
(1) 110 筒香嘉智(DeNA)
(2) 102 山田哲人(ヤクルト)
(3) 101 新井貴浩(広島)
(4) 96 バレンティン(ヤクルト)
(5) 95 鈴木誠也(広島)
(5) 95 ロペス(DeNA)

 筒香は4月28日の中日戦で右ワキ腹の肉離れを起こし、翌29日から5月8日まで9試合で連続欠場。さらに9月4日の阪神戦でも前日の試合で右足に自打球を受けた影響で欠場。結局10試合に出場しなかったが、110打点は2位の山田(ヤクルト)に8打点差をつけていた。

 得点圏打率は.393でトップであり、無走者.294、1人.338、2人.389、満塁だと.600と、走者の数が増えるにつれて打率が高くなるという勝負強さを発揮していた。25歳で本塁打王と打点の2冠に輝いたが、主要打撃3部門で2冠は、チームでは88年のポンセ(本塁打王+打点王)、99年のR.ローズ(首位打者+打点王)に次ぐ3人目であり、日本人ではチーム初の偉業である。

 昨年の巨人の打点3傑は村田修一が81、坂本勇人が75、ギャレットの68である。村田でもリーグ8位。筒香は今回のWBC第1戦のキューバ戦(3月7日)では1回に右前タイムリー、7回には右越え2ラン。いまや日本の四番は巨人の選手ではなく、DeNAの選手である。

 昨年の球団別の四番打者の成績を比較しても筒香の打率.322、44ホーマー、110打点はダントツの1位。これが巨人だと四番に最も多く起用された阿部でも52試合・・・

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