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記録の手帳 / 千葉功

楽天・則本昂大の奪三振記録と先発投手の登板間隔を考察する

 

楽天則本昂大が8試合連続2ケタ奪三振の日本新記録を樹立したが、同時に現代のプロ野球の先発ローテーションのあり方をあらためて考えさせられる機会にもなった。かつてエースともあれば酷使に耐えるのが当たり前であり、先発だけでなく中継ぎや抑えもこなす時代も長く続いた。だが最近はもう中6日がほとんど。もちろん則本の奪三振記録には大きな拍手を送りたいが、その一方で、この記録にも関わる先発投手の登板間隔についても考察してみたい。(記録は6月13日現在)

抜群の球威を武器に奪三振記録を更新した則本昂大。現役ではNo.1のドクターKである


登板3試合目から奪三振記録がスタート


 則本昂大の今季の初登板は4月4日のソフトバンク戦であり、6回1失点で勝利投手(8奪三振)。6回一死後に安打、2四球、犠飛で1点を失い、この回で降板した。次の登板は4月12日の西武戦。3回から5回にかけて毎回2点ずつを失って計6失点で敗戦投手(4奪三振)。開幕から2試合に投げて1勝1敗、防御率5.73と決して順調な滑り出しとは言えなかった。

 3試合目の4月19日の西武戦でも6、8回に2点ずつを失って4対4の8回にマウンドを下りた(勝敗つかず)。しかし、そこまで3回を除いて毎回三振を奪っていたので10奪三振。この日から連続2ケタ奪三振のスタートとなった。

 4月26日のロッテ戦は1回一死から4連続奪三振と絶好調。3回に先頭バッターのダフィーに初安打されたが、3、4回にも2三振ずつを奪う。5回無死で2安打されたものの後続を断ち、7回1失点(10奪三振)と先発の役目を果たす。(A表参照)


 5月3日のオリックス戦、10日のロッテ戦、17日の日本ハム戦にも各12奪三振をマークしてこれで5試合連続の2ケタ。これは2014年の能見篤史(阪神)以来であった。その後も則本は記録を更新し続け、25日のオリックス戦で1991年に野茂英雄(近鉄)が樹立した6試合連続に26年ぶりに並んだ。さらに6月1日の巨人戦で7試合連続の日本新記録、6月8日のDeNA戦でついに8試合連続とした。

 8試合連続は海の向こうのメジャー・リーグ記録にも肩を並べるものである。99年のペドロ・マルティネス(レッドソックス)、クリス・セールが15年のホワイトソックス、レッドソックスに移籍した今年に達成して以来の快挙であった。

現代の投手起用が奪三振記録にも影響


 最近になって2ケタ奪三振の連続記録がなぜ増えてきたのか。それは先発投手たちの・・・

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