大谷の二刀流について……ホンマにすごいしか言えん
エースで四番。投げてもすごい。打ってもすごい。そんな選手にあこがれた。小さいとき、野球をやっていた少年は、みんな、そんなヒーローを夢見たと思うわ。オレもそうやった。マウンドに上がったら、バッタバッタと三振の山を築き、打席に入れば、どでかいホームランを連発……。こんな選手を目指したもんよ。
まあプロに入ってくる選手の中学、高校時代はエースで四番が定番やったと思う。オレは少年野球時代から投手をやってたし、北陽高のときも投げていた。自慢やないけど、そこそこのスピードボールを投げていたし、打っても全国的に有名やったと思う。それでも両刀のまま進んでいこう……とは思わんかったな。オレの場合は打者として、プロを目指すと決めて、大学からはマウンドに立つことはなくなった。逆のケースもあるけど、どちらかを選んで、進むというのが普通やった。
ただし、オレはプロの二刀流を見ている。幼いころ、近鉄の試合を見に行き、そこで永渕洋三さんという二刀流選手(1968年のみ)のプレーをスタンドから見ているのだ。こんな選手がいるんや……とド肝を抜かれた。投手としてマウンドに立ち、打っては首位打者に輝いたこともあるほどの力があった。これぞプロ!と思ったけど、そういう選手はあとにも先にも永渕選手だけだったと思う。やはりプロに入ってからの二刀流は難しい。それが球界の常識やったと思うな。
ということで、もうお分かりだと思う。今週号は、その二刀流について、
大谷翔平君の特集だとか。「そこで岡田流の大谷の見方を語ってくれ」と編集担当者からの指令があった。だから二刀流についてのフリをここまで書いてきたのだが、大谷については、何を語ればいいのか?ホンマ、すごいとしか表現できないんよね。こんな選手が現れるとは……。それが素直な印象なわけよ。
オレは大谷がプロに入る際、絶対に打者として進むべき!と言ってきた・・・
この続きはプレミアムサービス
登録でご覧になれます。
まずは体験!登録後7日間無料
登録すると、2万本以上のすべての特集・インタビュー・コラムが読み放題となります。
登録済みの方はこちらからログイン