思い切った采配で成功すればチームは完全に流れをつかむ
リアルタイムで書く。いま、オレは甲子園の記者席にいる。試合が終了したばかりだ。そこからデイリースポーツの評論の仕事をして、この原稿にかかっている。目の前で行われた一戦は
阪神対
巨人戦。優勝へ大きな戦いや。8日のゲームが雨で流れ、9月9日の試合。両チームの強み、弱点が出て、結果、延長に入った。混沌としたペナントレース同様、どちらに転んでもいい試合は延長11回、阪神が
マートンのサヨナラ打で勝った。阪神にとってはとてつもなく大きな1勝であり、巨人にとっては痛恨の1敗……。明と暗がくっきりとした結果になった。
この1勝で阪神がグッと優勝に近づいた? いや、そこまでは断言できない。しかし、巨人はこの1敗で窮地に追い込まれたことだけは間違いない。雨で流れたゲームは9月28日に組み込まれたが、10日のゲームで阪神が負けても、それほど影響はない。逆に巨人は10日のゲームを落とせば、優勝はほぼ絶望的になる。そこまで追い詰められた巨人の9日の1敗だった。
と、ここまで書いたけど、週ベの編集担当者は「これでどこが優勝するのか、はっきりとしてください」ときた。そらオレだって、断言できるなら、はっきりとしたいわ。でもな、こればかりは難しい。分からん。ホンマ、分からん。これが現状の答えよ。
ここまで来れば、あとは神のみぞ知る……よ。そら阪神が優位に立っていることだけは間違いない。なにせ、首位にいるわけや(執筆時点)。ベンチも選手も、優勝に向けて、気持ちが違うわな。モチベーションという言葉を使うなら、阪神が最もそれが高いわけやろ。ただし、一気に抜け出すということも難しい。ここにきて大型連勝というのも簡単でないし、追う側も最後の気力を振り絞ってくる。阪神有利でも、決着は最後の最後。10月に入って……ということも十分に考えられるわけよな。
阪神を含め、ここからはどういうことがポイントになるか? そこをオレ流で書いてみる。まず個人の成績はもう関係ないってことよ。あくまでチームの勝ちが優先する。そのための個人……ということや。例えば阪神の打線でいけば、3割打者がひとりもいない。巨人も同様だが、これが優勝への弱点になるかといえば、まったく関係ない。関係があるなら山田(哲人)、川端(慎吾)という3割打者がいる
ヤクルトが有利になるのだが、ここに至れば、個人記録はさほど影響しない。
大事なのは・・・
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