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岡田彰布コラム

監督の最も重要で、難しい仕事は継投策、これは事実よ。1球の怖さ、ひとつのアウトを取る難しさを分かる投手がリリーフ向きや。

 

小久保監督の韓国戦の継投はある意味理解できる


 先日、終了したプレミア12で、侍ジャパンは3位だった。準決勝、韓国戦で強烈な逆転負けを食らった。このときの敗戦が大きな反響を呼んでいる。それが継投策の失敗……という評価である。先発した大谷(翔平)が7回を1安打無失点。3点をリードして、間違いなく勝てると思った矢先、8回から則本(昂大)をリリーフに出し、9回に結局4点を奪われてしまったのだ。

 試合後、小久保裕紀監督は「私のミスです」と語っている。世間の評価もそうだし、ファンの間でも、どうして大谷を代えるのか?という論調に終始している。7回を投げ切った時点で球数は80を超えたところ。この大会には球数制限はないし、あのときの大谷と韓国打線の力関係でいけば、続投で良かった……とオレも感じている。完投させるか、せめて8回までは大谷で行って良かった。あらゆる状況を考えれば、そういう結論になるのだが、小久保監督の采配は分からなくもないのだ。それは侍ジャパンという代表チームならではの難しさがあるからだ。とにかく日本のトップ選手ばかりが名を連ねるチームよ。投手陣もエース級ばかり。大谷を降ろしても、あとにはエースが控えている。念には念を押して、安全策を取ったのも、いくらでも力のある投手が控えているからで、その意味では小久保監督の采配はある意味、オレは理解できるのよな。

監督にとって継投策はホンマ難しい。特に野手出身監督は投手のデリケートな部分は理解できないことがあるからな。ただ今回の小久保監督の継投はある意味理解できるわ



 こういう実例が直近のゲームで起きたように、投手の代え時という継投策は、ホンマ、難しいわけよ。昔からよく言われ続けたように、監督の最も重要で、難しい仕事は継投策。これは事実よな。特に野手出身の監督は、投手のデリケートな部分が理解できないことが多い。肉体的なモノ、精神的なモノ。投手ならでは……というポイントがあり、それらを理解し、把握した上で継投策が実る。特に現代の野球では先発が完投するというケースは少なくなった。球数の問題があり、どのチームも継投策に苦慮している。ということは、継投の形を確立したチームが、ペナントを制する……という図式も成り立つわけよね。

 そういうことを思い出すのが・・・

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岡田彰布のそらそうよ

岡田彰布のそらそうよ

選手・監督してプロ野球で大きな輝きを放った岡田彰布の連載コラム。岡田節がプロ野球界に炸裂。

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