逆方向に本塁打を打てば三冠王獲得の確率は上がる
またまたプチ自慢からスタートする。1985年、
阪神が日本一になったシーズン、オレは五番を打っていた。三番がバースで、四番がカケさん(
掛布雅之二軍監督)。この3人であの甲子園バックスクリーン3連発を記録したのだが、このとき、オレは個人タイトルのチャンスを迎えた。首位打者への挑戦である。
最後の最後まで、ライバルとの凌ぎ合いは続いた。そのとき、争ったのがチームメートのバースだったわけ。当時の監督だった吉田(義男)さんも気を使ってくれたようだが、お互い、休むことなく最後まで出て、決着をつけた。結局はオレがわずかな差で負けて(打率.342)、バースの首位打者(.350)が決まった。なかなかハイレベルな戦いだったけど、バースはこれで三冠王になったわけ。目の前で三冠王誕生を見た。そして最後まで三冠阻止に挑んだオレ。なかなかカッコよかったんやないですかね……。
まあ打者としてプロに入った限り、三冠王は夢であり、目標やわね。ただバッターもいろいろなタイプに分かれるし、率を残せて、大きなのも打てて、勝負強さを兼ね備える、そんなバッターはなかなかいない。
そういう意味では同じチームだったバースは、それを備えていた。ホームランはもちろん、簡単にヒットも打てる。さらに走者を置いても強かった。納得の三冠王やったね。そのすごさは翌年の86年にも発揮され、ナント、2年連続の三冠王よ。阪神球団史上最強の外国人選手。その称号にふさわしいバッティングやったわな。
そんなバッターのあこがれである三冠王に挑戦する若い選手が現れた。それも2人もである・・・
この続きはプレミアムサービス
登録でご覧になれます。
まずは体験!登録後7日間無料
登録すると、2万本以上のすべての特集・インタビュー・コラムが読み放題となります。
登録済みの方はこちらからログイン