最強助っ人のバースは自分のストライクゾーンがあった

　日本のプロ野球史上、最強の外国人プレーヤーは誰？　こういうアンケート結果をよく耳にする。“最強”の意味はいろいろあって、当然、結果はバラバラ。懐かしい名前もあり、オレ自身、考えたことがある。

　その中で、阪神ファンの大部分がNO.1とするのがランディ・バースやろうな。確かにオレもそう思う。同じチームでクリーンアップを打った間柄よ。彼のスゴさを目の当たりにして、これぞ“最強”と何度も、何度も感じたもんよ。

　来日当初、バースはそんなに期待されていなかった。外国人選手は同時に2人入団したのだが、もう一人のストローターがメーンで、バースはあくまで2番手評価。それが史上最強に登り詰めるのだから、野球は不思議で、奥が深い……。

　三冠王を2度獲得した実績は、やはり日本の野球に適応し、日本の生活に慣れたから。1年目より2年目、2年目よりも3年目とレベルアップしていくストーリーはホンマ、理想的なもんやったわ。とにかく対応力がスバ抜けていた。新しい外国人バッターが、常に苦しむ日本投手の攻めに対し、コーチのアドバイスを・・・