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岡田彰布コラム

岡田彰布コラム「対戦した中での剛腕投手は何と言っても江川さんやった。現役の投手では、全盛期の藤川球児がスゴかったわ」

 

高校のときに初めて見て、大学、プロで対戦した江川さんはまさに最高の投手やった。中でも大学時代が一番速くてすごかったと思うよ/写真=BBM


アルプス席で見た衝撃と大学時代の本気の投球


 残暑厳しい中、プロ野球のペナントレースはいよいよ大詰め。このコラムを皆さまに読んでいただくころにはセ・リーグの優勝チームが決まっているかもしれない。さらにクライマックスシリーズ進出を掛け、2、3位争いは白熱の展開。最後の最後まで、予想のつかない状況になっているだろう。

 そんなシーズン終盤の、今週の週べの特集は……。「はい、投手での“剛腕、剛球”を振り返ってみます」。と担当のS君から連絡が入った。「オカダさんにとって、剛腕投手といえば誰ですか?」と問われたので、昔のことを思い出してみた。

 その投手を初めて“ナマ”で見たのは、オレが大阪市の明星中学から、北陽高(現関大北陽高)への進学を決めた春、3月やった。甲子園の春センバツ大会。オレは甲子園のアルプス席にいた。北陽高野球部に進むことが決まったわけで、センバツ出場を決めた北陽高の応援よ。確か開幕試合やったと記憶している。相手は作新学院高よ。そう、高校球界No.1投手と評された「江川卓」さんがいた。もちろん全国的にその名前はとどろいていたけど、実際に見るのは初めて。激戦区の大阪には好投手が多くいただけに、はたしてどれほどの投手なのか……程度の見方だったけど、投球が始まった途端、ド肝を抜かれたというか、とにかくぼう然としたものやった。

 アルプスから見ていても、ボールがホップするのが分かった。とにかくスピードがあり過ぎて、先輩たちのバットに当たらん。北陽高の応援を必死で続けたけど、目の前で三振の山が……。結局、どうなったのか。19個も三振を喫したわけよ(0対2で敗戦)。ホンマ、“怪物・江川”そのものやった。

 時は流れる。オレは北陽高から早大に進む。幸い1年生から試合に出場できた。迎えた法大戦。マウンドには3年生の江川さんがいた。法大4連覇の時代。圧倒的な強さを誇っていた。オレは七番で出場。あの甲子園で見た怪物・江川さんとの初対戦……。オレは夢中で食らいついた。そして、三塁線を破る二塁打を含む3安打よ。そら自信になったわ。これを機に打順は七番から五番に上がった。

 ところがクリーンアップになったのちの対戦では・・・

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岡田彰布のそらそうよ

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選手・監督してプロ野球で大きな輝きを放った岡田彰布の連載コラム。岡田節がプロ野球界に炸裂。

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