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岡田彰布コラム

岡田彰布コラム「クライマックスシリーズで藤川球児の存在感が光った。今なお、進化し続ける姿にホンマ誇らしく思うよ」

 

ファーストステージで2位のDeNAを下し、ガッツポーズをする藤川球児。後半戦から球児がクローザーで完ぺきな投球を見せたことで、チームが勢いに乗っていったと思うよ/写真=大泉謙也


オレも球児も涙で顔がグジャグジャ


“運命の日”は近い。10月13日の日曜日。読者の皆さんにこのコラムを読んでもらうときには、すでに結果が出ている。そう、ラグビーのワールドカップ。日本対スコットランドだが、はたして日本はベスト8進出なるか。ボーナスポイント制があり、それも大きく影響する。

 日本のプロ野球はCSファイナルステージ。こちらもボーナス制ではないが、1位チームに1勝のアドバンテージがある。9日に始まったセのGT決戦。オレは東京ドームにいる。デイリースポーツの評論の仕事だが、結果は阪神の勢いを、巨人がねじ伏せた。そんな初戦になった。これでアドバンテージを含め、巨人の2勝。かなり優位に立った。

 でも阪神が逆襲する材料はある。シーズン終盤から、CSファーストステージのDeNA戦で示した投手力の厚み。特にクローザーの藤川球児の存在。輝いているわな。このベテランの働きこそが阪神の生命線といえる。

 球児=CS……。これでいくと、オレにとって、ホンマ、思い出深いもんなんよね。あれは2008年やった。シーズンでは13ゲーム差をひっくり返されてのV逸。その時点で、オレは監督を辞することを表明していた。だからクライマックスシリーズは監督として最後の仕事やった。ファーストステージは落合(落合博満)さんが率いる中日。強いチームやったよ。巨人、中日、阪神の3強時代。そら、おもしろい戦いの連続やったわ。

 そのファーストステージは1勝1敗となり、決着の3戦目。舞台は京セラドームよ。試合はともに投手陣が踏ん張り、0対0で進んでいった。両チームとも決め手がない中、9回を迎えた。阪神の決められたパターンよ。JFKの最後のトリデ。すべてを球児に託す。これで2004年から戦ってきたわけよ。

 球児は・・・

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岡田彰布のそらそうよ

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選手・監督してプロ野球で大きな輝きを放った岡田彰布の連載コラム。岡田節がプロ野球界に炸裂。

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