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岡田彰布コラム

岡田彰布コラム「まさか現役選手が感染するとは。それが阪神とはショックよ。矢野監督の苦悩は察するけど、開幕に向け集中してほしいな」

 

阪神の3選手から新型コロナ感染者が出てしまった。矢野監督の苦悩はよく分かるよ。だけど今は開幕に向けすべてフラットな状態にして、臨んでほしいと思うわ/写真=小山真司


新型コロナの影響で体が元に戻ることが心配


 ショックです。大ショックです。ホンマ、言葉が出ない。コメディアンの志村けんさんの死です。ホンマ、新型コロナウイルスが憎いよ。

 勝負の世界で生きてきた身で、ホッとひと息つけるのが“お笑い”でした。大阪生まれで、もともとお笑いにはうるさいほうです。そんな自分を楽しませてくれたのがドリフターズであり、志村さんやった。吉本新喜劇、笑点、ドリフターズが笑いの定番。結婚してからもゲームが終わり、自宅に戻ると、夜中、お笑い番組を見て、頭をカラッポにしてた。妻が気を利かせて、オレの好きそうな番組を録画してくれました。監督時代もそう。負けて悔しくて、家に帰る。そこで妻が選んで録画してくれたビデオを見る。自然に笑いがこみ上げてくる。志村さんには、ホンマ、何度も助けられた。そんな思い出が残ります。



 2カ月前。中国・武漢で新型コロナウイルスが発生。そのときはまさに他人事。ニュースで知り、「中国は大変やな」なんて感覚やった。まさか世界が、日本が危機に見舞われることなんて、予想もしなかった。志村さんが亡くなったことで、より身近に感じるようになり、それはついに野球界にまで広がった。

 プロ野球で初めて現役選手の感染が発表された。それが阪神で起きた。球団から発表されたのは藤浪(藤浪晋太郎)、伊藤隼太、長坂(長坂拳弥)の3人。これは球界関係者として衝撃やった。まさか……である。若年層の感染率は低い……というデータが覆されたことになる。そして体力があり、抵抗力があると信じていた現役の選手でも、こうやって簡単に感染するのだ、という事実。より一層、切実感が迫ってきたわけよ。

 野球選手をはじめ、アスリートにはケガ、故障はつきもので、これにどうやって付き合っていくかは、永遠のテーマだが、オレも現役時代、多くの故障にあった。でもカゼやインフルエンザとかには、ほとんどかかったことはない。「そんなもん、気合で吹き飛ばせ!」なんて、前時代的なフレーズがまかり通ったころやったけど、今の新型コロナウイルスは、気合ではどうにもならない・・・

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岡田彰布のそらそうよ

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選手・監督してプロ野球で大きな輝きを放った岡田彰布の連載コラム。岡田節がプロ野球界に炸裂。

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