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岡田彰布コラム

岡田彰布コラム「プロ野球の開幕は近いけど、夏の甲子園中止は残念や。今週の特集『野球場』オレの思い出の球場は神宮。青春のスタジアム!やね」

 

早大時代は神宮で1年春から88試合に出場したわ。写真は4年春の優勝時。オレが主将でトロフィーをもらった。まさに青春の1ページが神宮球場にあったよ/写真=BBM


高校球児へは簡単にはなぐさめの言葉は出ない


 そろそろコラムにかかるか……と思ったとき、テレビ画面にニュース速報が流れた。5月20日の午後4時過ぎやった。ここまでの一連の報道で、予測はできていたが、あらためてニュースとして流れると、さすがに息をのんだ。「夏の甲子園、中止決定」──。やっぱりな。今の情勢では仕方ないか、と思う半面、もう少し、決定の判断をズラしてもよかったのでは、とも考えた。

 そのあと、テレビでは涙する球児の姿が映し出され、言葉に詰まる監督の悲しげな表情も……。高校球児、特に3年生の夢を打ち砕いた新型コロナ禍が本当に憎い。彼らに伝える言葉は見つからない。残念だろう、といった話ではない。ここまで、“甲子園”にかけてきたのである。それを思うと、簡単になぐさめの言葉は出てこない。

 オレ自身、高校1年(北陽高=現関大北陽高)の夏、甲子園を経験した。2年の春のセンバツは不祥事で出場辞退を味わっている。喜び、悲しみ、怒りの3年間……。これは貴重な時間だった。何より“仲間”がいたこと。あれから45年ほど、今でも年に何回か、仲間が集まっている。これほど長く絆が続くことがスポーツの持つ力よ。今回はセンバツも夏の大会もなくなり、3年生は無力感に襲われているだろう。そらそうよ、誰が悪いわけでもない。見えない敵、新型コロナウイルスが夢を奪った。でも、3年間、仲間と過ごしたかけがえのない時間は、間違いなく、この先も生き続ける。だから耐えてほしい、球児の先輩として、今はこれしか言えない。

 今後、夏の甲子園の代替え案がいろいろと検討されると聞いた。先週号でも書いたが、これは賛成よ。彼らにエネルギーを発散できる舞台を作っていただきたい。2020年、春も夏も失った球児のせめてもの晴れ舞台を……。ホンマ、折に願う。

開幕が遅れても阪神の優勝を予想する


 一方でプロ野球だ。自粛解除の流れの中、6月19日開幕案に向け、進み出している。これが実現すれば、残りは1カ月。調整は? 実戦勘は? が問われてくる。ようやく全体練習(まだ分散・分離のようだが)がスタートしたばかりで、正直、時間が足りないのも事実だろう。しかし、あえて言う・・・

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岡田彰布のそらそうよ

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選手・監督してプロ野球で大きな輝きを放った岡田彰布の連載コラム。岡田節がプロ野球界に炸裂。

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