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岡田彰布コラム

岡田彰布コラム「プロ野球は新人の入寮から合同自主トレの季節よな。この時期に張り切りはいらん。ターゲットはあくまで開幕よ」

 

1年目の1月の合同自主トレは精神的にきつかったよね。体力的にはきついとは思わなかったけど、いきなりの甲子園30周にはビックリ。今は選手がケガをいかにしないかが最優先になっている[写真=BBM]


虎風荘でのオレの部屋は掛布さんと同じ出世部屋


 新年を迎え、新たな心配事が出てきた。また新型コロナだ。どれだけ苦しめたら気が済むんだ。第6波とも言われている。いくら重症化のリスクは低い新種といっても、すべてにおいて慎重にならざるを得ない。特に沖縄で猛威を振るっているという。あと3週間後、果たしてプロ野球の春のキャンプは無事に行われるのか。これは不安でしかない。

 特にルーキーたちは気をもんでいるだろう。希望に満ちたスタートを、うまく切れたらいいのだが、とホンマ、切に願うばかりよ。そんな中、新人選手の入寮の季節を迎える。ウキウキワクワク、みんな、高揚しているやろな。オレもそうやった。いまから41年も前のこと。1980年1月の初め、オレは「虎風荘」に入寮した。

 当時の寮は甲子園の西隣りにあり、球場には歩いて数分しかかからない。まさに甲子園とともに生きてきた寮であった。あのときはドラフトで6球団に1位指名され、阪神に引き当てられての入団やった。だからマスコミの注目度もすごかった。入寮に際しては、ホンマ、報道陣の数がすごくって、珍しく緊張したことを覚えている。

「何を持ち込んだのか?」「特別な荷物は?」とトラ番記者に質問されたけど、ウケるような答えはなかった。「必要最低限のものしかありません」。実際に身の回りのものしかなく、笑わすこともできんかったな。

 部屋は「406」号室よ。ここは出世部屋と呼ばれていた。オレの前に暮らしていたのが掛布(掛布雅之)さんよ。カケさんが結婚して退寮。そこにオレが入ったということなんですわ。出世部屋だからといって、何も特別な部屋ではなかったよ。でも・・・

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岡田彰布のそらそうよ

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選手・監督してプロ野球で大きな輝きを放った岡田彰布の連載コラム。岡田節がプロ野球界に炸裂。

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