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岡田彰布コラム

岡田彰布コラム「やはりいい捕手、正捕手がいるチームは安定した戦い方ができる。ヤクルト・中村の戦線復帰でこれからチームは上昇するやろな」

 

5月3日の阪神戦[甲子園]で戦線復帰したヤクルトの正捕手・中村[右]は先発・小川を見事なリードで完封勝利に導いた。見事なリードやし、手強い捕手が復帰したわ[写真=松村真行]


見事で、見応えのあった佐藤輝への内角攻め


 甲子園が満員になった。ゴールデンウイークにファンが戻ってきてくれた。この景色、やっぱりいいもんだ。5月3日、オレはラジオの解説で現場にいた。阪神対ヤクルト戦。タイガースはようやく底が抜けた感じで6連勝。当然、ファンのボルテージは上がる。

 そのとき、実況席でオレは身を乗り出した。阪神劣勢の展開で迎えた6回二死二、三塁のチャンスで、打席に佐藤輝明。さあ、ヤクルトバッテリーはどうする? そこで強烈なリードを見せたのがヤクルトの捕手・中村(中村悠平)であった。

 今シーズン、不振の先発・小川(小川泰弘)と、この日、故障から復帰した中村のバッテリー。勝負の場面での配球は「見事」のひと言やった。特に中村よ。佐藤輝に対し6球すべて内角ストレートのサインを出した。佐藤輝の弱点とされるインコースを突くのは当然だが、すべてそこに……というのは、なかなかできるものではない。なんといっても一発が怖い場面。途中でフォークで落とすとかを交えたいところだが、中村のリードは頑なであった。

 これが若い捕手なら、投げる小川も首を振っていただろう。しかし、ベテランの中村が出すサインよ。信じて投げるよな。それも伸びのあるストレートを6球続けた。佐藤輝を三塁ファウルフライに仕留め、ここで勝負あり。バッテリーが呼び込んだ勝利であった。

 これが示すように「捕手」は重要なポジションである。名捕手あるところに優勝あり。プロ野球の格言どおり、いいキャッチャーが存在するチームは必ず上位にいる。まさに守りの要。ところが・・・

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岡田彰布のそらそうよ

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選手・監督してプロ野球で大きな輝きを放った岡田彰布の連載コラム。岡田節がプロ野球界に炸裂。

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