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岡田彰布コラム

岡田彰布コラム「四球を出さない投手陣と四球を多く取る打線で好調維持。それでもオレの今年のキーワードは、いかに『普通』に戦えるかよ」

 

監督通算600勝は知らんかったけど、2004年に初めて監督として指揮を執ってから19年。いろいろあったけど、まだまだ頭を絞り出すよ[写真=BBM]


そろそろ西勇、青柳も復活 先発ローテーションも決まるよ


 週刊ベースボールの読者の皆さん、そして野球ファン、阪神ファンの皆さん。1カ月ぶりの「そらそうよ」であります。評論家時代の約10年、週に一度のコラムを読んでもらってきましたが、監督になった今年、週イチが月イチになりました。

 そもそも現役の監督がコラムを続けること自体、非常に珍しいことらしいけど、何とかナマの阪神、ナマのプロ野球のことを知ってもらいたくて、こういう形になりました。


 さて今月はまず直近の話から。5月13日の土曜日。甲子園でのDeNA戦で阪神が勝ち、これで首位に並びました。この1勝がオレの監督通算600勝ということで、試合後、多くのファンに祝福してもらいました。ただ、オレは事前には知らなかったのです。節目の勝利だったけど、ピンとこなくてね。「ウイニングボールは?」とトラ番記者に聞かれたけど、正直、そんな特別感はなかったわ。

 思い返せば19年前の2004年。東京ドームでの巨人(4月2日)との開幕戦が監督初勝利やった。そこから阪神、オリックスで600勝か……。オレも65歳になり、月日の流れを感じるけど、いまはホンマ、落ち着いてベンチで考えることができている。19年前は、やっぱり意気込んでいて、喜怒哀楽もはっきり出て、若かったなあ……と思い返せるわ。まあ、これからも自分のためではなく、チームの勝ちが積み重なるように、頭を絞って戦っていきますわ。いまはチームが日々強くなっていく楽しみにあふれていますから、ね。

 2023年シーズンも早いもので1カ月が過ぎ、5月も終わりを迎えようとしています。ここまでの戦いを振り返ると、「まあ、エエんちゃう?」という感じかな。大きな出遅れがあれば別だが、ここまでは順調というか、貯金があって4月を終えたこと。エエんとちゃいますか、と自分では感じている。

 何より大きかったのは「新戦力」の出現よ。先発投手で言うと大竹(大竹耕太郎)、村上(村上頌樹)の2人です。大竹は現役ドラフトで移籍してきたのですが、キャンプのときから「これならいける」という感触があった。何も早大の後輩だからではないですから。あのキレのあるストレートと、ピッチングのうまさ。スタートさえうまくいけば、十分に先発ローテーションに入れる。そんなインパクトがあった。

 その計算のとおり、毎回、実に安定した内容で、安心して見ることができた。先のオレの600勝のときも勝利投手になって無傷の5連勝よ。「これは予定どおり? 予想どおり?」って記者から聞かれるけど、ないない。それはないわ。ここまでとは、想像を超えるうれしい誤算よね。

 村上もそうよ。ホンマ、ビックリした。初先発した巨人戦で7回までパーフェクト。そらベンチでどうするか、やっぱり悩んだ。続投させるか、球数も考え、「完全」のままリリーフを送るか。オレは後者に決めた。すぐに論議を呼ぶ継投策となったようだが・・・

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岡田彰布のそらそうよ

岡田彰布のそらそうよ

選手・監督してプロ野球で大きな輝きを放った岡田彰布の連載コラム。岡田節がプロ野球界に炸裂。

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