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人間の情を知る男・中畑清の美学

 

ミスターに愛された男は、人間の情を知る男でもあった。その試合に完全燃焼する監督であり続けてほしい
文=大内隆雄、写真=BBM

この笑顔がたまらない魅力。原辰徳江川卓を上回る人気があった



 中畑清監督率いるDeNAが好調に走っている。監督就任4年目でチームを把握した、ということなのだろうか。でも、この人には「チームを把握」なんて表現は、ウソくさくて使えない。

 中畑ベイは5月6日には12球団最速で20勝に到達したが、指揮官は「こんなに早く20勝しちゃっていいのかなあ。いつも6月ぐらいなのに」。チームを把握している人が、こんな自分のホッペタをつねるようなことを言うハズがない。ちなみにDeNAの過去3年間の20勝到達日は、昨年が5月31日、13年が5月20日、12年が6月22日。監督サン、20勝が6月に食い込んだのは1年目だけですよ。1年目の最下位(46勝85敗13分、勝率.351)の記憶が強烈なのかもしれないが、こちらもチームを把握している人の言とは思えない。

 このへんは、きわめて“長嶋的”なのである。また、それが魅力でもある。中畑監督は、その試合、その試合で完全燃焼すればいいのである。また、実際そうなのだと思う。「今日燃えなかったら、明日燃えようぜ!」でいいのだ。だから、ルーキーの新ストッパー、山崎康晃が失敗を恐れず9連続セーブ(新人最多記録)をマークしたのも、「明日燃えようぜ!」のムードに乗せられた結果だろう。

 いま“長嶋的”と書いたが、中畑清には、これにプラス人情味がある。筆者は、彼を駒大時代から見ているが、当時の太田誠監督から「中畑ほど下級生に慕われた男もいない。アイツの人を引き付ける魅力は天性のものだね」という話を聞いたことがある。

 あれは江川卓が入団した年だから79年だったが、中畑の自宅を訪ねたことがある。2階建の借家だったが・・・

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