左腕から繰り出される剛球に新人時代から注目を浴びていた佐藤勇。昨年、今年と2年連続で二軍の開幕投手を務めたが、今は壁にぶち当たっている。しかし、これは一流へ到達するための試練。試行錯誤を重ね、羽ばたく日をファンは待っている。 文=上岡真里江、写真=BBM 「久しぶりに、本格派を見た」。2013年1月、新人合同自主トレを視察していた
田邊徳雄現監督(当時は打撃コーチ)の目を、ドラフト5位入団の高卒ルーキーの投球姿は、ひときわ引いた。美しいフォームはあこがれる同じ東北出身の先輩・
菊池雄星のそれを模倣し、自分なりにアレンジを加えたものだ。今年、あれから3年目のシーズンを迎えた。その逸材は今、苦しみの渦中にいる。
将来性を買われた佐藤勇は二軍でじっくりと基礎体力作りから取り組み、1年目が終わるころには体重は5キロ増。入団時143キロだった最高球速も同年秋季キャンプでは151キロを記録。「至って順調」と
潮崎哲也二軍監督も目を細める成長を見せた。
2年目の昨季はイースタン開幕投手にも抜擢。「シーズン終盤ごろに一軍へ」と本人も首脳陣も未来図を描き始めていた。ところが夏場、突如試合から外れた。パワーが増した体、著しく上がった球速という、プラス面でしかとらえていなかった『変化』による弊害が表れ始めたのだ・・・
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