今季、イースタン・リーグで打撃部門の上位につけるなど周囲の評価も急上昇。かつて「常総のバレンティン」と呼ばれた大砲候補が、先輩からのアドバイスを糧に、いよいよ飛躍の時を迎えようとしている。一軍デビューはもちろん、さらにその上を目指して今日も汗を流す。 取材・構成=杉浦多夢 写真=湯浅芳昭、矢野寿明、BBM 高卒4年目にして、ついに覚醒の予感が漂っている。シーズン終盤に右手人さし指を骨折するなど、ケガに悩まされた昨季を経て、「勝負」と位置づけて迎えた2023年。フィジカルもメンタルもたくましくなった背番号「60」は、二軍戦で快音を響かせ続けている。まずは一軍デビューと初安打、初本塁打を通過点に、さらなる高みを目指していく。 ──今季は二軍戦で打撃好調です。手応えはいかがですか。
菊田 昨年と比べると打率も残せていますし、長打も出ているので、よくできているかなという感じです。
──打撃面で昨季からの一番大きな変化は何でしょうか。
菊田 打撃フォームを少し変えたことが一番大きいかなと思います。構えるときのグリップの位置を少し後ろにしたんです。そのことでバットの出方がスムーズになったし、変化球が来たときでも残ることができて、ボールとの距離をとることができるようになりました。
──打撃フォームを変えようと思ったきっかけは。
菊田 実は今季の教育リーグが始まっても、あまりいい感じではなかったんです。結果も昨年と変わらないというか。だから何か変化をつけたい、つけないといけないと思って。僕はバットを寝かせるタイプなんですけど、同じタイプの中島さん(
中島宏之)の
西武時代の動画を見たりしていました。もちろん本人がいらっしゃるので、どういう意識でやられているのか、グリップやトップの位置についてはどう考えているのかを自分から聞きに行って、たとえ自分に当てはまらなくても引き出しになればと思っていたら、それがいい感じにはまったという感じです。
──中島選手にアドバイスを求めに行ったのは初めてだったのでしょうか。
菊田 そうですね。中島さんもいつ一軍に行かれるか分からないので、いるときに聞いておこうと思って。最初は緊張しましたけど(笑)。
──やはり高卒4年目という危機感から行動に移すことができたのでしょうか。
菊田 もう、ゆっくりしていられないというか、やっぱり・・・
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