「非凡」という言葉を使ってしまう。それくらい打撃センスは優れている。高卒ルーキーながら現在ウエスタン・リーグの首位打者に立つ。初球からでも果敢にフルスイング、初見の投手でもすぐにタイミングを合わせられる。だからこそ「非凡」と言われる。その才能を一軍で見られるのも、そう遠くはないだろう。 取材・構成=椎屋博幸 写真=毛受亮介 バットのスイングスピードは高卒ルーキーとは思えない。さまざまな試合を撮影してきた小社カメラマンも「スイングが速いから、合わせにくい」と舌を巻いた。現在ウエスタン・リーグ打率1位の.329。カメラマンの言葉を裏づける結果を1年目から残し続けている。ただ本人は下積みの1年、もっとレベルを上げるシーズンだと割り切っている。 ──現在、ウエスタンの首位打者です。
井坪 数字を意識しないようにしています。今は打席での内容を重視し、そこを求めるようにしています。
──打席の内容というのは具体的にはどういう部分でしょうか。
井坪 初球から積極的に打っていったほうが良い結果にもつながっています。先日の試合で第1、2打席でファーストストライクを振れないことがあったのですが、そうなるとアウトになる確率も高くなっています。そのあとの第3打席では、ファーストストライクから打ちにいけたので、ヒットにすることができました。第4打席での結果はアウトでしたが、積極的に打ちにいって最初のスイングはファウルに。アウトの内容的にも納得できるものでした。
──ファーストストライクを絶対に振りにいくと決めている理由は何でしょうか。
井坪 もともと追い込まれるのが好きではないので(笑)。その前に打って仕留めるという形でやっています。
──高卒ルーキーですが、プロのスピードに遅れるということはないですよね。
井坪 高校時代、130キロ後半から140キロで速いなあとは思っていましたが、プロはそれ以上の150キロも出す投手もいて、実際に速いなあ、とは思っていました。でも積極的に振っていく間に、そのスピードに徐々に慣れていったところはあります。
──自然にキャンプのときから慣れていったのでしょうか。
井坪 キャンプのときのほうが・・・
この続きはプレミアムサービス
登録でご覧になれます。
まずは体験!登録後7日間無料
登録すると、2万本以上のすべての特集・インタビュー・コラムが読み放題となります。
登録済みの方はこちらからログイン