考えることの大事さに気が付いたのは東北福祉大3年時。「何かを変えないと」と4年春にリーグ打撃三冠王に輝いた。自分と向き合う姿勢は、プロ入り後も変わることはない。攻守走3拍子そろうルーキーが、1打席もムダにすることなく進化する。 取材・構成=鶴田成秀 写真=田中慎一郎、BBM 着実に成長している背景には、開幕からのわずかな期間に積んだ貴重な経験がある。5月に入って11安打と快音が聞こえ始め、18日のウエスタン・ソフトバンク戦(PayPayドーム)では、公式戦初本塁打もマーク。巧みなバットコントロールにパンチ力を秘める22歳は、周囲の声を聞き、自ら考え、成長を続けていく。 ──開幕から2カ月が経ちました。打席へのアプローチや練習の意識も変わってきているころではないでしょうか。
杉澤 はい。まったく、うまくいっていないので。特にバッティングの面で思ったように打席の中で、できないんです。体を開かないで打ちたいんですけど、どうしても、ボールが速いと右肩が開いてしまってバットが出てこなくて。詰まってしまい、とらえ切れない打席が多いんです。
──それは、大学野球とのレベルの違いも影響してのことですか。
杉澤 はい。特に真っすぐが重いので。スピードにはついていけるのですが、とらえたと思ってもボールが重い。なので、はじき返せないんですよね。
──強くはじき返そうとする思いは、体の開きにつながっている部分でしょうか。
杉澤 それもあります。開くとはじき返せないのに、開いてしまうんです。打ちにいく中で、右膝が割れてしまって。そういう形になることが多いので、どうしても左膝で操作するしかなくなってしまうというか。力をグッと内側にためていきたいのに、右膝が割れてしまうので、力もたまらないし、体やバットの操作もしにくくなっているんです。
──理想の形と一致していない、と。
杉澤 そうなんです。オープン戦くらいから、うまくいかないなって。どうすれば、試合でもしっかりとした形で打てるかを考えて、いろいろと練習しているところです。
──となれば、現在、練習で意識しているのは『体の開きを防ぐこと』?
杉澤 それもあります。練習で意識していることが3つあって・・・
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