高校時代は春夏3回甲子園出場、3年夏にベスト8入り。2022年育成ドラフト2位で入団以来、基礎力を蓄えてきた。昨季は攻守に結果を残し、3年目を終えた昨オフに再契約。育成4年目の今季は、開幕から高打率をマークしている。目指すは悲願の支配下登録、そして一軍の舞台での活躍だ。冷静なまなざしの奥に、貪欲に己を鍛えてきた闘志が宿っている。 取材・構成=相原礼以奈 写真=湯浅芳昭、BBM 野球に向き合う姿勢が、徐々に変わってきた――。高卒入団4年目の前川誠太を、周囲はそう評価する。ウエスタン・リーグではコンスタントに安打を重ね、二軍では頭一つ抜けた印象だ。ここまで、体をつくって技術を磨くとともに、野球への思考を深め、打席での考え方を整理することで結果につなげてきた。コーチ陣や先輩選手の助言に学び、考え、実践を繰り返して成長する。可能性に満ちた22歳が、飛躍を期す。 ――4年目のシーズンです。どのようなことを考えて入りましたか。
前川 入りから、この1年の中で絶対に支配下になってやるという思いです。過去3年間もその気持ちで過ごしてきたので、それが今、少しずつ数字となって表れてくれているのはうれしいです。まだまだこれから、このまま支配下に向けて頑張るつもりです。
――結果を残せている要因は、どう自己分析しますか。
前川 1年目とかに比べると、打席に入る前に相手ピッチャーの球種をイメージして、自分で打つ場所を決めるなど、明確に整理して打席に入ることができています。そこは今、自分の中でうまくハマっているところかなと思います。
――どんな取り組みが、結果につながってきたと感じますか。
前川 バッティング練習だと、自分の打ちたいところを決めて打つ練習などをしてきました。昨年、試合でピッチャーの足元に打ってやろうという感覚で入ったときに、すごくいい入りができて、「こういう感覚もあるんだ」と自分の中で感じました。そういう感覚もヒントにしながら今年はできています。
――その意識を持った、きっかけがあったのでしょうか。
前川 東出(
東出輝裕、二軍内野守備・走塁)コーチからの、「ピッチャーの足元、打っとこう」という一言だったんですけど、それが自分の中ではすごくいい感覚でした。そこからです。東出さんだけでなく、例えば広輔(
田中広輔)さんもすごく僕の打席を見てくださって、自分が「ここ、どうなってました?」と聞くと、すごくアドバイスしてくださいます。それを、次の打席から実行して、結果につながった部分があります。
――今季、特に手応えを感じた試合や打席はありましたか。
前川 マツダスタジアムでの
オリックス戦(4月26日)で、山岡(
山岡泰輔)さんから、満塁の場面でレフトオーバーを打ったときがありました。そのときに・・・
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