週刊ベースボールONLINE

Webオリジナルコラム

2000本安打目前 42歳和田一浩に見る球界の晩成化

 

文=永山智浩 写真=BBM

2000本安打まで秒読みに入った和田一浩。08年中日移籍後も安打を打ち続けた



通算安打の70%を30代に量産


 中日の和田一浩が、昨日の西武戦で2安打を放ち、通算2000本安打まであと7本と迫りいよいよカウントダウンに入った。昨年、達成する可能性もあったが、残り15本となった8月5日に死球で右手舟状骨を骨折し、その後一軍出場を果たせなかった。

 和田は岐阜商高から東北福祉大、神戸製鋼を経て、97年にドラフト4位で西武に入団した。大学、社会人を経ての通算2000本安打達成ということになると、古田敦也(立命館大→トヨタ自動車)、宮本慎也(同志社大→プリンスホテル)に次ぎ3人目となる。

 和田は捕手としてプロ入りしているが、当時西武には伊東勤(現ロッテ監督)という不動の捕手がいたため、なかなか本職の捕手としての出場は得られなかった。一塁や外野として出場し、バッティングを生かすために6年目の02年に本格的に外野手に転向。その年からチームの主力選手となっている。通算2000本安打を達成した選手で、捕手として入団しその後野手に転向したのは以下の4人。

江藤慎一(中日→ロッテ→大洋→太平洋→ロッテ)
松原誠(大洋→巨人
衣笠祥雄広島
小笠原道大日本ハム→巨人→中日)

 和田は捕手として通算73試合に出場。江藤の175試合に次ぐ出場数となっている。25歳とプロ入りが遅かった和田は72年6月19日生まれ。もうすぐ43歳を迎える。いままで40歳以上で通算2000本安打を達成したのは、以下6人。

金本知憲阪神)08年=40歳0カ月
新井宏昌(近鉄)92年=40歳2カ月
小久保裕紀ソフトバンク)12年=40歳8カ月
落合博満(巨人)95年=41歳4カ月
・宮本慎也(ヤクルト)12年=41歳5カ月
谷繁元信(中日)13年=42歳5カ月

 和田の2000本安打は谷繁を超える最年長での達成となる。和田は20歳代の5年間は149安打しか打っていなかったが、30歳代の10年間で1470安打を記録。40歳代でも3年間で374安打を記録。まさに遅咲きの選手だ。

 1990年代に新井、落合の2人が40歳代で達成しているが、当時は40歳代の現役は稀だった。08年の金本以降、達成したのは7人だが、そのうち4人は40歳代の選手だ。落合が達成したちょうど20年前の95年、現役選手の満年齢40歳以上は5人しかいなかった。しかし今年は20人と格段と増えている。トレーニングやリハビリなども進化し、選手寿命も大きく伸びていることが分かる。
Webオリジナル

Webオリジナル

プロ・アマ問わず本誌未掲載の選手や球団、事象を掘り下げる読み物。

関連情報

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング