文=永山智浩 写真=BBM 真夏の時期と合せるかのように西武は今季球団ワーストの13連敗を喫した
暑さに強い球団、弱い球団は?
パ・リーグはオールスター前に
ソフトバンクがやや抜け出した形になり、オールスター後も加速。8月5日に優勝マジック38が点灯した。一方、セ・リーグは
DeNAが首位で折り返したが勝率はちょうど5割。最下位・
中日まで4ゲーム差と大混戦だったが、約1カ月の夏の戦いで若干様相は変わってきた。
阪神がやや抜け出し貯金8。2位の
ヤクルトに3.5ゲーム差をつけている。オールスター以降、16勝7敗とハイペースで飛ばしている。特に「死のロード」と呼ばれている甲子園を明け渡す期間では9勝3敗と好成績を残している。
昨年もこの「死のロード」の期間では11勝10敗と勝ち越しているが、神宮→京セラドーム大阪→東京ドーム→横浜→京セラドーム大阪→マツダ
広島→東京ドームと、夏の暑い時期にドーム球場での試合も多く、屋外球場での6連戦は皆無。
ドームでの成績は7勝5敗だった。しかし今季はここまで、マツダ広島→横浜→京セラドーム大阪→神宮と4カードでドームは1カードのみ。暑さに強いタフなチームになったということか!?。
暑さに強いチームはどのチームか、ということで最高気温別に各チームの成績を調べてみた。デーゲーム、ナイトゲームなど条件の差はあるが、その球場の都市の最高気温を基にデータを作成。外気に関係ないドーム球場(外気に関係ある西武プリンスドームは除く)は別に集計している。
・
ソフトバンク ドーム:46勝22敗2分/勝率.676 30度未:14勝8敗1分/勝率.636 30度以:7勝3敗/勝率.700 ・
日本ハム ドーム:34勝25敗/勝率.576 30度未:19勝17敗1分/勝率.528 30度以:7勝3敗/勝率.700 ・
ロッテ ドーム:11勝12敗/勝率.478 30度未:28勝33敗1分/勝率.459 30度以:12勝5敗/勝率.706 ・
西武 ドーム:10勝17敗3分/勝率.370 30度未:34勝25敗2分/勝率.576 30度以:5勝13敗/勝率.278 ・
楽天 ドーム:12勝16敗/勝率.429 30度未:30勝30敗2分/勝率.500 30度以:3勝10敗/勝率.231 ・
オリックス ドーム:27勝41敗/勝率.397 30度未:12勝15敗2分/勝率.444 30度以:5勝4敗/勝率.556 ・
阪神 ドーム:13勝15敗/勝率.461 30度未:31勝25敗1分/勝率.554 30度以:13勝9敗/勝率.591 ・
ヤクルト ドーム:10勝14敗/勝率.417 30度未:30勝29敗1分/勝率.508 30度以:14勝10敗/勝率.583 ・
巨人 ドーム:36勝29敗1分/勝率.554 30度未:12勝20敗/勝率.375 30度以:7勝5敗/勝率.583 ・
広島 ドーム:12勝9敗/勝率.571 30度未:29勝32敗1分/勝率.475 30度以:9勝12敗/勝率.429 ・
DeNA ドーム:9勝13敗/勝率.409 30度未:31勝31敗1分/勝率.500 30度以:10勝14敗/勝率.417 ・
中日 ドーム:31勝38敗1分/勝率.449 30度未:12勝17敗/勝率.414 30度以:2勝6敗/勝率.250 阪神は、最高気温30度以上の屋外球場では13勝9敗で勝率はリーグトップ。昨年も11勝11敗の5割だったので、暑さには強いチームなのだろう。
一方、西武、楽天、中日は苦戦している。楽天は昨年も30度以上で6勝16敗、勝率.273と夏場は苦戦した。楽天は今年の最高気温15度未満だったときは、5勝1敗2分けと寒さにはめっぽう強かった。
チーム状況にもよるが、気温や湿度などがプレーに与える影響は少なからずある。まだまだ残暑は続くが、この夏の後半をどう乗り切るのか、その成績で今年のペナントレースの行方も決まってくる。(記録はすべて8月17日現在)