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リスクが高いシーズン途中入団の外国人選手

 

文=永山智浩 写真=BBM

結果が伴わないシーズン途中入団の外国人選手の中では、まずまずの部類に入るヤクルトのデニング



西武・メヒア、広島・ヒースの例もあるが、ハズレのケースが大半


 外国人枠の緩和によって、シーズン中の戦力補強を外国人で行うことが多くなったプロ野球。広島は13年に打線のテコ入れとしてキラを獲得。キラは66試合で14本塁打と主砲としての役割を果たし、チーム初のクライマックスシリーズ進出に大きく貢献。14年も投手のヒースを獲得し、7試合で3勝0敗と活躍。2年連続CS進出を果たした。昨年は西武メヒアも5月に入団し、史上初の途中入団の本塁打王に輝いている。

 今年はソフトバンクと西武を除く10球団がシーズン中に12人の外国人を獲得した。投手5人の成績は以下の通り。

ライブリー(日)
12試合0勝0敗0S、防御率6.14、登録日7月3日

ビロウ(D)
1試合0勝1敗0S、防御率33.75、登録日7月3日

ネイラー(中)
7試合3勝3敗0S、防御率4.09、登録日7月3日

ペレス(中)
一軍登板なし、登録日7月3日

ベク・チャスン(ロ)
一軍登板なし、登録日7月30日

 5人中、一軍登板は3人。日本ハムのライブリーはリリーフとして獲得したが防御率は6点台。四国アイランドリーグplusの香川から中日に入団したネイラーは、8月1日に初登板し、先発として3勝3敗とまずまずの活躍をしている。

 メジャー通算338登板の中日のペレス、12年にオリックスに白嗟承の登録名で在籍したロッテのベク・チャスンは登板がない。ビロウは登板予定がことごとく雨で中止になる不運もあり、9月16日に初登板初先発を果たしたが、1回1/3イニング5失点で降板している。

 一方、打者は7人。

シアーホルツ(広)
65試合58安打10本30打点、打率.250、登録日4月9日

フランシスコ(巨)
5試合3安打0本1打点、打率.167、登録日4月23日

デニング(ヤ)
64試合43安打4本22打点、打率.222、登録日5月25日

ペレス(神)
一軍出場なし、登録日6月19日

チャベス(オ)
一軍出場なし、登録日6月23日

カステヤーノス(巨)
6試合2安打0本1打点、打率.100、登録日7月28日

ムリーロ(楽)
3試合4安打0本1打点、打率.500、登録日7月31日

 一軍出場なしの2人はいずれもBCリーグからの途中入団。ヤクルトのデニングもBCリーグ・新潟からの移籍だが、こちらは対応力もまずまずで、63試合に出場。広島のシアーホルツは、エルドレッド、グスマンの故障で、開幕直後に急遽獲得した。メジャー通算52本塁打と長打力も期待されたが、10本塁打とチームを牽引するに至らなかった。

 今年のシーズン途中入団外国人には「掘り出しもの」はなかった感じだ。

 過去5年間(10〜14年)のシーズン途中入団外国人の球団別人数は以下の通り(カッコ内は翌年も在籍した人数、NPB復帰も含む)。

 1位:楽天9人(4)、2位:オリックス8人(1)、3位:ソフトバンク7人(2) DeNA7人(1) 、5位:ロッテ6人(4)、広島6人(4)、7位:西武5人(3)、8位:巨人4人(3) 日本ハム4人(1)、10位:阪神2人(1)、ヤクルト2人(1)、12位中日1人(0)

 61人いて25人が翌年も同チームと契約しているが、約6割の選手が結果を残せず退団している。
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