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The 変化球 極意を語る

変化球の極意 第1回 前田健太(ツインズ)のチェンジアップ

 

鋭く曲がる変化球で空振りを奪う。打者は態勢を崩し、屈辱の表情──。まさにピッチャー冥利に尽きる瞬間だ。その一級品の変化球がどういう経緯で出来上がり、どう操っているのか。新連載「The 変化球」がスタート。一流投手たちの代名詞と言える1つの変化球にフォーカスしていく。


新連載第1回は、今季ドジャースからツインズへと移籍した前田健太。前田=スライダーというイメージがあるが、今は海を渡ってから自ら握りを開発した「チェンジアップ」が代名詞となっている。その極意に迫る。
取材・構成=椎屋博幸、写真=GettyImages、本人提供


人差し指で押し込むように


 初めてチェンジアップを試したのは広島に入団した1年目の秋季キャンプのときでした。当時のブラウン監督から、次のシーズンでは先発ローテ投手として起用するからと言われ、直接この球種を習得するように言われました。

 そのときに習得した握りは本当にオーソドックスなOKの型の握りのチェンジアップでした。メジャーに移籍した後、2016、17年とこの握りで投げていたんですが、なかなか有効に使えていない状況が続き、使用できない変化球になりつつあったんです。もともとフォークがうまく投げられない中で、どうしても落ちるボールで空振りを取りたいというあこがれも正直ありました。それをチェンジアップに見出そうという考えに変わりました。

 そこから握りをいろいろと試行錯誤していくうちに、現在のチェンジアップの握りになりました。いつごろだったかははっきりと覚えていないのですが、試合中のベンチで、「どうしたらうまく落ちるかなあ」と考えながら、握り方をいろいろ試しているときに・・・

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