
平成12年9月24日の東京ドームでの中日戦、二岡智宏の劇的なサヨナラホームランで巨人の4年ぶりのVが決定。一生忘れることのない平成プロ野球の名シーンですね!
このコラムが掲載される週刊ベースボールの発売日は5月1日、いよいよ、平成から令和に変わるんですね。昭和生まれの僕にとっては3つ目の元号になるわけですが、まあ歳も取るわけです(笑)。
こうして振り返ると30年間と113日間に及んだ平成プロ野球でも本当にたくさんのスター選手が台頭しました。その中で1人選ぶとしたら、やっぱり僕は
松坂大輔。彼の存在なくして平成プロ野球は語れないと思っています。だって高卒ルーキーでいきなり16勝ってまさに怪物ですし、同じ高卒ルーキーで31本塁打を打った
清原和博さん以来の衝撃的な選手でした。
松坂以降も同じく高卒の
ダルビッシュ有、
田中将大、
大谷翔平と現在はメジャー・リーガーとして活躍しているすごい選手が次々に台頭してきました。マー君なんかは連勝のギネス世界記録まで作っちゃったわけですからね。でもそのマー君でさえも
楽天に入団したルーキーイヤーは11勝止まり。もちろん高卒ルーキーで2ケタ勝利を挙げること自体がすごいことなんですけど、いかに松坂の「16勝」という数字がすさまじかったかをあらためて感じさせてくれます。令和の新時代では彼らの記録を塗り替えるような“超怪物ルーキー”が現れるのか……それもまた楽しみですね。
これまでテレビと球場でたくさんの試合も見てきましたけど、僕の中で一番インパクトがあって、記憶に残っている思い出のベストゲームは、平成12年(2000年)9月24日の巨人対中日戦です。巨人のマジック「1」で、ホームの東京ドームでファンと一緒に優勝の瞬間を迎えることのできるラストチャンスだったのですが、その日の巨人打線は沈黙して9回まで0対4。ようやく9回裏になって打線がつながって無死一、二塁になったところで中日は当時、絶対的な守護神だった
ギャラードにスイッチ。正直「4点差でギャラードはさすがに厳しいな……」と僕は内心あきらめかけていました。
そうしたら
松井秀喜がヒットでつないで無死満塁。一死後になんと
江藤智の満塁ホームランで一気に同点になっちゃったんです。「うわー!!」と東京ドームが大騒ぎになっている中で今度は続く二岡智宏がサヨナラ弾!! もう何が何だか分からないうちに優勝が決まっていたというとんでもない試合でした(笑)。僕はラッキーなことにその瞬間を生で見ていたので、あの興奮はいまでも忘れられないですし、もうあんな経験は人生であるかないかですよね。
あと、もうひとつ鮮明に覚えているのはメジャー・リーグになるんですが、平成21年(2009年)のヤンキース対フィリーズのワールド・シリーズです。そう、松井秀喜が3本のホームランを打ってMVPに輝いたあのワールド・シリーズです。その1本目も運よく現地で見ていて、もう鳥肌ものでしたよね〜。一緒にいたアンタッチャブルの山崎(弘也)とうれし過ぎて思わず抱き合っちゃいましたから。普段はそんな間柄じゃないのに(笑)。
平成最後の開幕を迎え、そして令和最初のシーズンに突入したプロ野球。「とことん野球好き!!」もさらにマニアックに、球界のいろんなところに目を向けていきたいと思っていますので、次回のコラムも楽しみにしていてくださ〜い。