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中居正広のとことん野球好き!!

中居正広コラム第38回 101回目の夏に思いを馳せて

 

灼熱の聖地で今年も幕を開けた夏の甲子園。


 さあ、101回目を迎えた夏の甲子園が開幕しましたね。僕はこのコラムの中でも何回か触れていますが、プロ野球と同じくらい高校野球が大好きなんですっ!!

 高校野球って不思議と“ふるさと愛”がわいてくるじゃないですか。僕も出身の神奈川は地方大会からずっと見ていました。残念ながら母校(平塚学園高)は3回戦で負けちゃいましたけど、でも神奈川で勝つって本当に大変だなぁとつくづく思います。中でも甲子園出場を決めた東海大相模高が大会記録となる24得点で圧勝した決勝戦は本当にびっくりしましたね。全国クラスの強豪校を破って勝ち抜いてきた相手(日大藤沢高)にあんなに大差の試合で勝つなんて誰も想像していなかったと思います。早くも来年のドラフト候補とも言われている山村崇嘉君、鵜沼魁斗君の2年生コンビによる打線もすごかったですが、僕が注目したのは投手陣の“層の厚さ”。全7試合を継投で勝ち上がってきたことを考えるとやっぱり安定した投手が複数いるって強いなと思いました。そういう時代になったんだなと。

 その一方で、全国的には最も話題を集めていたのが大船渡高の佐々木朗希君でしたよね。岩手大会の決勝での登板回避については、いまだに国内外でいろいろな意見が交わされています。でも、僕思ったんです。こんなふうにしてたくさんの人がいろんな意見を言い合えて、それがこんなにも大きなニュースになること自体が野球にはまだまだ魅力があるってことなのかなって。プロ野球でもなく、高校野球の、しかも地方大会での出来事がこれだけの話題になるって、考えてみたらあらためてすごいことですよね。

 彼の登板回避については正直、僕には正解は分かりません。やっぱり高校球児にとって甲子園って何物にも代えがたい目標だと思うんです。その甲子園を目指して努力してきた大船渡高ナインの気持ちを考えると投げさせてあげたかったなあという思いもあります。でも実際に佐々木君のヒジの状態がどうだったかは僕らには分からないですし、監督さんも悩みに悩んだ末に決断したことなんだろうしなあ……といろいろなことが頭の中を駆けめぐります。

 ただ、甲子園の舞台で佐々木君のピッチングを見られないのは残念というのが野球ファンとしての素直な気持ちですかね。それと、決勝戦で大船渡高を下した花巻東高の強さもホンモノだなと思いました。その花巻東が大船渡ナインの分まで甲子園で力を発揮してほしいですし、佐々木君には「あの時の選択は決して間違いじゃなかった」と思えるような活躍をこれから先も期待したいなと思います。

佐々木朗希君の登板回避はいろんな意見がありますけど、この決断は間違ってなかったと言えるような活躍を今後も見せていってほしいですね


 夏の甲子園の優勝予想は……やっぱりプロ注目の奥川恭伸君がいる星稜高(石川)と投打のバランスが素晴らしい東海大相模高、それに激戦区を勝ち抜いてきた履正社高(大阪)、関東一高(東東京)あたりも相当強そうですよねぇ。ただ、毎年のようにニューヒーローが誕生するのも甲子園の醍醐味であり、大きな楽しみでもあります。もちろんプロ野球も激アツですが、球児たちが紡(つむ)ぐ“筋書きのないドラマ”にも大注目しながら、この暑い夏も野球三昧で乗り越えたいと思っています!!
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