5年ぶりにセ・リーグを制覇したジャイアンツ。この瞬間を待っていました!!
今年のペナントは令和元年にふさわしい、セ・パ両リーグともに最後までもつれにもつれた激戦が展開されましたね。セは
巨人の戦力がズバ抜けていたわけではなかったと思うんです。最下位の
ヤクルトだって、
村上宗隆、
山田哲人、
バレンティンの3人で100本塁打以上と打撃はすごいものがあったわけですから。そんな中で巨人は
ゲレーロがバントをしたり、
陽岱鋼が代走で出たり……と本当に“総力戦”で勝ち取った優勝だったのかなと。
そんな巨人のMVPは? と言われれば、やっぱり遊撃手として史上2人目の40本塁打という偉業を達成した
坂本勇人でしょう。さらにその坂本を支えていたのが
丸佳浩でした。丸自体は昨シーズンまでのような成績は残せませんでしたが、彼がいなければ坂本にさらに大きなプレッシャーがのしかかっていたはずです。そういう意味で、丸の存在はとても大きかったと思うんです。
ほかにもMIP的な選手も選べるとすれば、僕は
若林晃弘にあげたいなあ。開幕スタメン入りした
吉川尚輝が腰痛で離脱した後、一度はハマった
山本泰寛の打撃に徐々に陰りが見えて……そんなときに台頭してきたのが若林でした。結局、二塁手は固定することはできませんでしたが、若林が6、7月と打率3割前後をキープしてくれたのは9月に頑張ってくれた
田中俊太も含め、陰ながらチームを支えてくれましたよね。
一方のパを制した
西武はリーグの打撃部門を総ナメしてしまうあの強力打線は今年もハンパなかった〜!! いや、本当にすごかった。投手陣も後ろには
平井克典、
増田達至という馬力もある強力なリリーフ陣がいましたからね。
でも、不思議だなと思うのはオフに
菊池雄星、
炭谷銀仁朗、
浅村栄斗が抜け、戦力的には昨季よりも落ちているはずなのに……それこそ
黒田博樹や
前田健太が抜けた後の
広島もそうでしたが、チームの柱が抜けた後に優勝することって意外に少なくないですよね。そういうところも野球ってつくづく深くて、予測できない面白さがあるなって改めて思わせてくれた9月の戦いでもありました。
今シーズン限りでの引退を決めた阿部慎之助。残された試合での最後の雄姿をしっかりと見届けたいですね
さて、最後に触れずにいられないのは引退を表明した阿部慎之助です。19年前に巨人に入団したときから僕はいつもそのプレーに一喜一憂してきました。何度も“しんのすけぇ〜!!”と叫んだり、万歳したりしました。その一方で好きだからこそ、大きなため息もついたこともあります。それくらい期待を寄せ、頼りがいのある選手でした。9月27日の引退試合での一発を見ても「まだまだできるのに!」と残念でなりませんが、いまは心から「ありがとう」と伝えたいですし、最後に日本一になって、とびっきりの“しんのすけスマイル”をもう一度見たいなと思っています。