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中居正広コラム第42回 松坂大輔と上原浩治への思い

 

14年ぶりの西武復帰が決定した松坂大輔[写真左]と長き現役生活にピリオドを打った上原浩治[右、写真はルーキー当時]。僕にとってはすごく思い入れのある2人です


 プロ野球のストーブリーグも佳境に入ってきましたね!! その中で気になっていた選手の1人でもあった、中日を退団し、自由契約となっていた松坂大輔の移籍先がついに決定しました。古巣の西武に復帰ということで、ライオンズのユニフォームを着た松坂を見られるのはポスティングでアメリカに渡った2006年以来、実に14年ぶりだとか! 思えば西武時代の松坂は本当にすごかったですよね。高卒1年目で16勝してしまうんですから。まさに「平成の怪物」でした。

 その松坂と時を同じくして、1999年(1998年秋)にドライチでプロ野球の世界に入ってきたのが元巨人の上原浩治でした。その上原が5月に引退を表明したときは本当に残念でなりませんでした。「お疲れさま」という気持ちもありつつ、やっぱりまだ見たかったですし、何より最後にもう一度だけでも一軍で投げる姿を見たかった……というのが正直な気持ちでした。

 上原もプロ1年目で20勝をマークして大活躍しましたが、今考えるとルーキーイヤーから16勝、20勝も挙げてしまうような投手がセ・パに同時に誕生した1999年ってすごい年でしたよね。僕は2人ともテレビの番組などで直接お話をさせていただいたこともあるのですが、同じ投手でもまったくタイプが違う印象を受けました。

 上原は関西出身ということもあるのか、普段はすごく明るくて、面白いことを言って場を和ませてくれるんですよね。で、いざ試合になると「オレが一番だ!」というような感じで堂々としていて、マウンドの孤独にも耐えられる天真爛漫さがあるんですよね。それに対して松坂は、どこかふんわりした雰囲気があって「オレが、オレが」というような、いわゆる投手っぽさみたいなものが意外にあんまり感じられないんです。なので内に秘めた強さみたいなのがある人なのかなという印象を、僕はずっと持っています。

 プロの世界に入るまでに歩んできた道も、タイプもまったく違う2人ですけど、どちらもメジャー・リーグで、しかも入れ違いでしたが、同じレッドソックスでワールド・チャンピオンにもなってしまうんですから……。ホント、すごい投手がいっぺんに登場した時代に野球ファンでいれたのってラッキーだったなあとつくづく思っています。

 あとは上原が積み上げた日米通算、日本人初の「100勝100セーブ100ホールド」という記録もすごいの一言に尽きます。これから先もそんな投手ってなかなか現れないことでしょう。もしかしたら名球会にも特別枠で入会が認められることになるかもというニュースも最近ありましたが、それくらい偉大な記録だと思います。

 その一方でまだ現役である松坂にはもうひと花、ふた花咲かせて、ぜひ200勝の大台に到達してほしいです。そんな松坂が見られるのをみんなが待っていますから。

 さてさて、今年も「とことん野球好き!!」をご愛読いただき、ありがとうございました。来年はいよいよオリンピックイヤーです。金メダルを目指す侍ジャパンもみんなで応援しましょう。ということで、皆さん良いお年をお迎えくださいね〜!!
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