エースとして貫禄を見せつけた開幕戦の菅野智之
待ちに待ったプロ野球が開幕しましたね〜!!
新型コロナウイルスの感染拡大の影響で開幕が約3カ月遅れ、その間、練習すらもままならなかったことなんて、戦後初めてのこと……。誰も経験した人がいないわけですから、首脳陣、選手、球団スタッフ、NPBの方たちもすべてが手探り状態の中、懸命に準備を進めてきたと思います。そんなたくさんの人たちの努力のおかげで開幕することができたこと、まずは本当に良かった。ホッ。
でも実は僕、試合を見るまで不安だったんです。「自分の野球熱が冷めていたらどうしよう」って。だって球場のスタンドにお客さんも応援団の方たちもいなければ、開幕のセレモニーもない……それも初めてのことだったので、果たしてエキサイティングできるのかなって。その光景を見て自分がどんな感情を抱くのか、ちょっと怖くもありました。
でも、それはまったくの杞憂(きゆう)に終わりました。やっぱりプロ野球は最高に楽しい。テレビの中から声援は聞こえませんが、試合が始まったらいつもの熱い気持ちが沸き起こってきたんです!! ああ……やっぱり自分はこんなにもプロ野球が好きなんだなあって。気づいたら1人で叫びまくっていましたからね(笑)。
6月19日の開幕戦ではジャイアンツが
阪神相手に逆転勝ちし、通算6000勝を成し遂げました。約3カ月のブランクの期間をまったく感じさせない白熱したゲームでしたし、特に7回裏の
吉川尚輝の逆転2ラン! あれはしびれました。左バッターの吉川がサウスポーの
岩崎優の、しかも内角やや高めの球をスタンドまで運ぶなんて、本当にすごい技術だなって思いました。
さらに、ホームランと分かった瞬間、ベンチでガッツポーズしながら大喜びする開幕投手の菅野智之の表情もすごく良かったですよね。その回に1点ビハインドでマウンドを降りていただけに、チームの勝利とともに、自分の勝ち星も引き寄せてくれた吉川尚のアーチはまさに値千金の一発でした。
開幕戦で躍動したジャイアンツの吉川尚輝
そんな彼の活躍は開幕4連勝とチームに勢いをもたらしたことはもちろんですが、
湯浅大、
若林晃弘、
田中俊太、
増田大輝……といった同世代の若手たちにも良い刺激にもなったはずです。近年のジャイアンツは続々と新しい力も台頭していますから、次はどんな選手が飛び出して来るかも楽しみの1つです。
120試合のペナント、セ・リーグはCSもありません。しばらくは無観客が続き、時期を見てお客さんも入れていくことになりますが、例年のように満員御礼状態は見られないでしょう。それはプロ野球だけでなく、エンタメ業界なども同じ。だからこそ僕は捉え方ひとつかなと思うんです。「お客さんも応援歌もなくて寂しいなあ」と嘆くよりも、「これは今シーズン限定でレアなものを見ているんだ」というスペシャル感を持って、いつもは聞こえない“球音”やベンチの声を聞きたいなって。だって、せっかく皆さんの努力のおかげで開幕できたプロ野球、ワクワク、ドキドキしたいですもん!!
ほかにも伝えたいことがたくさんありますが、あっという間に文字数がいっぱいになってしまったのでまた。次回のコラムは「高校野球」をテーマにしようかなと思っています。