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中居正広コラム第58回 思い出が詰まった球場の話

 

神宮球場[写真は2018年撮影]の花火もまたぜひ現場で見たいですね


 今週号は「球場特集」ということなので、僕も球場にまつわる思い出話をしたいと思います。

 ご存じの方もいるかもしれませんが、僕も以前は球場でも結構ライブをやっていまして(笑)。なので全国の球場を訪れる機会も多かったんです。でも不思議なもので、ライブで行くときと野球観戦ではテンションって全然違うんですよね。

 例えばライブでは選手と同じ裏口から入ったり、ステージへの移動の導線としてベンチ裏やブルペンの前を通ったりするんです。もしこれがプライベートの野球観戦で来ていたら絶対に「うわっ、こんなところ通っていいの!?」「いつも〇〇が投げているブルペンだよ!」なんて絶対大はしゃぎするはずなのに、ライブでは不思議と冷静だったりするんです。自分のことながら気持ちのスイッチみたいなものってやっぱりあるんだなって思います。

 ジャイアンツの本拠地である東京ドームでも何度となくライブをさせてもらいましたが、高橋由伸さんと小久保裕紀さんが見に来てくれたこともありましたね。いつだったかは覚えてないんですが、ステージ上からパッて客席を見たら2人を偶然見つけて(笑)。しかも僕が前を通ったら両手を大きく振ってくれているんですよ。だから僕も2人に手を振って応えたんです。でも翌日、僕がプライベートで東京ドームに試合を観に行って一塁側から「ヨシノブ〜!!」って思い切り叫んだのにまさかのガン無視。まあ遠くて聞こえなかったんでしょうけど「おいおい、昨日は、こっちがあんなに手を振ったのに」って思いながら声援を送っていました(笑)。

 あとは東京ドームと言えば、1995年の原辰徳さんの引退セレモニーも思い出深いですね。花束を渡したんですけど、子どものころからのあこがれの選手でしたし、その最後の節目に一緒の空間にいれたことはホントにうれしかったなあ。

何度もライブをした東京ドームにもやっぱり特別な思い入れがあります


 12球団の本拠地にはほぼ行っているかと思いますけど、すべての球場で共通するのは座る席によってそれぞれ楽しみ方が違うのがいいですよね。それこそ小学生のときなんかは、外野席の応援団のおじさんたちに交じって大声で歌いながら見るのがとにかく楽しかったですしね。もし叶うなら今でも外野席でみんなとワイワイやりたいんですが、こういう立場なのでなかなか難しくなっちゃいましたけど(笑)。なのでベンチ裏かバックネット裏で見ることが多いのですが、ピッチャーのボールの軌道がよく見えるバックネット裏が好きかなあ。キャッチャー目線で「次は外にスライダー……いや、1球外すか」とか、配球を自分で予想しながら見るのもたまらないですよね。

 東京ドームにはもちろん思い入れがありますが、一番好きな球場を1つ挙げるなら神宮球場かな。父親によく連れて行ってもらったというのもありますが、神宮で売っているうどんがとにかく大好きなんです。それをお酒とともに味わう時間、野球観戦が僕の至福のひととき。考えただけでも笑顔になっちゃいますが、またいつか球場に行ける日を今は楽しみに待ちたいと思います。

PROFILE
なかい・まさひろ●1972年8月18日生まれ、神奈川県出身。俳優業だけでなく、司会者としての才能も発揮。「NHK紅白歌合戦」をはじめ、多くのテレビ番組で司会を務めている。プライベートでは大の野球好きでもあり、2013年には「WBC侍ジャパン公認サポーター」、第4回WBCでも「公認サポートキャプテン」に続いて「世界野球プレミア12 侍ジャパン公認サポートキャプテン」も務めるなど、豊富な知識とあふれる野球愛でその活躍の場を広げている。
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