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中居正広のとことん野球好き!!

中居正広コラム第59回 大谷翔平という男

 

大谷には世界中の野球ファンをこれからも魅了し続けていってほしいです[写真=Getty Images]


 2年ぶりのセ・パ交流戦真っただ中ですが、やっぱり面白いですね。5月27日の阪神ロッテ戦(甲子園)での佐藤輝明佐々木朗希の“令和の怪物対決”も見応えがありましたし、これまで苦汁をなめてきたセ・リーグも今年は意地を見せてくれていますから、この期間の成績がどうペナント争いに影響を及ぼしていくのかも楽しみです。

 あとは海の向こうの大谷翔平にもクギ付け。最近はリアルタイムで試合を見るのが朝の日課になっていますし、次はどんな活躍を見せてくれるんだろうとワクワクさせてくれますよね。それにエンゼルスの試合って早朝ではなく、日本時間の朝9時とか10時からが多いので、そこまで寝不足にならないのもメチャクチャ助かってます(笑)。

 大谷といえば「二刀流」。これまでも挑戦の是非、調整方法とかいろいろなことが言われていますけど、でもこれって誰も経験したことがないことですから、何が正解かなんて正直分からないことだらけですよね。そんな中で何がすごいかって、投手として先発マウンドに上がった試合にもバッターとして、それも打線のキーマンである二番で出場していることだけでもスーパーなことだと思うんです。さらに大谷はそれだけじゃなく、先発登板した翌日もDHで試合に出ていますよね。こんな選手を今まで見たことがなかったですし、アメリカでもすごい人気になっているのもうなずけます。

 これまでも日本人メジャー・リーガーのパイオニア的存在の野茂英雄イチロー松井秀喜といったスーパーな選手の活躍に驚かされたことはたくさんありましたが、大谷の場合はまたひと味違いますよね。僕は「ヤバい」って言葉はイチローの活躍のときにたくさん使いましたけど、今年1年だけでその回数を超えるんじゃないかなって(笑)。それぐらい本当にヤバい(すご過ぎる)活躍を見せてくれています。ひと昔前ならイチローにあこがれて野球を始めた子どもたちが多かったように、最近は大谷にあこがれている子どもたちも多いんでしょうね。

メジャーでも数々の金字塔を打ち立てたイチロー。彼にあこがれて野球を始めた子どもってどれだけいるのでしょう


 僕ぐらいの年齢になると、大谷にあこがれを抱くというよりも「こんなに毎日試合に出て、トレーニングして……しんどいだろうなあ」なんて思っちゃう(笑)。でも、大谷は心底野球が好きなんですよね。僕も何度かインタビューをさせてもらったことがありますが、とにかくさわやかな好青年。そして野球に一途な人なんだなということがひしひしと伝わってきました。練習もやらされている感が一切ない。とにかく今日よりも明日、明日よりも明後日……というふうに日々うまくなりたいっていう気持ちでやっている感じなんですよね。だから今も毎日試合に出てしんどいとかじゃなくて、本人は楽しくて仕方ないんだろうなって思っています。もう本当に野球少年がそのまま大人になったような感じなので。

 そんな大谷を見ていると、規定打席、規定投球回に達してのホームラン王のタイトル獲得に加え、投手としての2ケタ勝利にも期待しちゃいますよね!! とにかくケガだけにはこの先も気をつけて、まだまだアッと驚かせるような、みんなにたくさんの元気を与える活躍を見せてほしいなと思います。

PROFILE
なかい・まさひろ●1972年8月18日生まれ、神奈川県出身。俳優業だけでなく、司会者としての才能も発揮。「NHK紅白歌合戦」をはじめ、多くのテレビ番組で司会を務めている。プライベートでは大の野球好きでもあり、2013年には「WBC侍ジャパン公認サポーター」、第4回WBCでも「公認サポートキャプテン」に続いて「世界野球プレミア12 侍ジャパン公認サポートキャプテン」も務めるなど、豊富な知識とあふれる野球愛でその活躍の場を広げている。
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