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中居正広コラム第60回 気になるルーキーと松坂大輔

 

好調をキープする阪神の欠かせない戦力となっているドラフト6位ルーキーの中野拓夢


 セ・パともに上位のゲーム差があまりなく、優勝争いが激しさを増してきましたね。その戦いを盛り上げてくれているのがルーキーたちの存在。今シーズンは特に豊作で“当たり年”と言っていいのではないでしょうか。

 特に現時点で首位を走る阪神はまさにルーキーの活躍が大きいですよね。ドライチの佐藤輝明はもちろんですが、6位入団の中野拓夢の活躍が光っています。社会人出身(三菱自動車岡崎)の25歳ですから、球団も即戦力としての期待はしていたとは思いますが、ここまでの活躍はちょっと想像できていなかったんじゃないかなと。シュアな打撃だけでなく、足でも1年目から2年連続で盗塁王のタイトルを獲得しているチームの先輩・近本光司と盗塁王争いを繰り広げるなんて。しかもポジションは内野の要である遊撃手。鳥谷敬(現ロッテ)が退団したときには「後釜を育てるには時間がかかるだろうなあ……」と思っていましたが、守りでも存在感を発揮。7月3日の広島戦(マツダ広島)でピンチの場面で見せたホームでのゲッツーなんか、もう彼の判断力の高さを感じさせるビッグプレーでしたよね!! ドラフトの下位で獲った選手がルーキーイヤーからこれだけの活躍を見せてくれているんですから、さぞかしスカウトも喜んでいるでしょうね。ただ、中野もプロの長いシーズンを経験したことは当然のようにまだないわけですから、最終的にどれだけの成績を残せるか、これからも注目していきたい選手です。

 ほかにもすでに顔立ちも含めてベテランの風格すら漂わせているのが、DeNAのルーキー・牧秀悟(ドラフト2位)。おそらく外国人選手の合流が遅れたことでチャンスが巡ってきたんでしょうけど、それをしっかりとつかみましたよね。前にもこのコラムで触れたことがありますけど、選手にとってプロ入りするタイミング、巡り合わせってすごく大きいなって。阪神の中野だってもし5、6年前、それこそ高卒で入団していたら……まだ鳥谷が全盛期でしたから下積みが長く続いたかもしれませんからね。

 ただ、現在売り出し中の中野や牧も社会人または大学を経由してのプロ入り。そういう意味では、7月7日に電撃的に今シーズン限りでの現役引退を表明した松坂大輔(西武)はやっぱりすごかったなって。鳴り物入りだったとはいえ、高卒でいきなり16勝をマークしての最多勝。当然のように新人王、さらにベストナイン、ゴールデン・グラブ賞までも受賞してしまったわけですから。“平成の怪物”とも言われましたが、平成の時代に高卒で2ケタ勝利を挙げたのって、ほかには楽天田中将大(11勝)、阪神・藤浪晋太郎(10勝)の2人だけ。この数字を見ただけでも、当時の松坂がいかにとんでもなかったかが分かりますよね。

高卒1年目で最多勝を獲得した松坂大輔。引退のニュースは本当に寂しいです


 いつの時代も新たな力が球界全体を活性化させてくれますし、残りシーズンも12球団のルーキーの活躍もしっかりウオッチングしていきたいと思っています。さてさて、あっという間に文字数が尽きてしまいましたが、次回のコラムでは僕が密かに気になっている「あの男」について触れてみたいと思っています。

PROFILE
なかい・まさひろ●1972年8月18日生まれ、神奈川県出身。俳優業だけでなく、司会者としての才能も発揮。「NHK紅白歌合戦」をはじめ、多くのテレビ番組で司会を務めている。プライベートでは大の野球好きでもあり、2013年には「WBC侍ジャパン公認サポーター」、第4回WBCでも「公認サポートキャプテン」に続いて「世界野球プレミア12 侍ジャパン公認サポートキャプテン」も務めるなど、豊富な知識とあふれる野球愛でその活躍の場を広げている。
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