好調ヤクルトの原動力となっている中村悠平。まさに扇の要として素晴らしい活躍を見せてくれています
猛暑の夏がウソのように、すっかり秋めいてきましたね。ペナントレースもいよいよ終盤……優勝争いも佳境に入ってきました。両リーグともに、これほど大混戦になってきたシーズンというのも近年では珍しいですよね。
セ・リーグは
阪神、ヤクルト、
巨人の3球団に優勝争いは絞られています。ただ、僕はBクラスの3球団こそが、ペナント争いを面白くしているんじゃないかって思っているんです。首位とのゲーム差は開いているものの、
DeNAや
広島なんかは後半戦になって底力を発揮してきてますしね。だって、打率ランキングなんて上位5人(9月12日現在)がDeNAと広島ですよ!
片や
中日は投手陣がいいですからね。ゲーム差以上に、実は現在の6球団の戦力ってそこまで大きな差はない気がしています。
見ている側にとってはこれほど面白い展開はないですが、1勝でも多く積み上げたいと思っているAクラスの3球団にとって、意地を見せ始めたBクラスにいる3チームの存在はホントに厄介だろうなあって(笑)。それこそお互いがエース級のピッチャーをどのカードで使うのかもポイントになってきますし、中日、DeNA、広島との戦い方次第でセの優勝争いはとんでもないドラマチックな結末を迎えるかも……と。それこそ残りゲーム数も大事になってきそうですし、最も試合数を残しているのがヤクルト。阪神、巨人より2カード分も多いのはメチャクチャ大きいですよね。
僕、今シーズンのヤクルトの躍進って中村悠平の存在がすごく大きいんじゃないかなって思っているんです。昨シーズンとは異なり、キャッチャーがしっかりと固定されているからこそ、チーム自体にどっしりとした安定感がありますよね。打線でも中軸を担って、2割9分の打率を残していますし、攻守にわたって欠かせないキーマンになっています。阪神と巨人にとっても手強い存在になっているはずです。
下馬評を覆す快進撃を見せているオリックス。パ・リーグの優勝争いも最後までもつれそうですね
一方のパ・リーグは
ロッテ、オリックス、
楽天、
ソフトバンクの4球団まではまだまだ可能性があります。こちらも拮抗(きっこう)しているので、下位の
西武と
日本ハムとの試合は絶対に取りこぼすことはできないですよね。もちろんリーグ優勝も狙っていると思いますが、まずはAクラス入りをしてCSに進出することが大事になってくる。残りのゲーム数もほぼ同じなだけに、最後の最後までもつれると予想しています。
まさか、まさかこんな大混戦になるなんて……本当にこの展開はプロ野球ファンにはたまらないですよね。ここから先はさらに1勝の重み、1敗の重み、または引き分けの数もすごく重要になってきますし、プロ野球史に残るかもしれない2021年のアツ過ぎるペナント争いの行方を僕も大いに楽しみたいと思っています!!
PROFILE なかい・まさひろ●1972年8月18日生まれ、神奈川県出身。俳優業だけでなく、司会者としての才能も発揮。「NHK紅白歌合戦」をはじめ、多くのテレビ番組で司会を務めている。プライベートでは大の野球好きでもあり、2013年には「WBC侍ジャパン公認サポーター」、第4回WBCでも「公認サポートキャプテン」に続いて「世界野球プレミア12 侍ジャパン公認サポートキャプテン」も務めるなど、豊富な知識とあふれる野球愛でその活躍の場を広げている。