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中居正広コラム第66回 静かなオフとジャイアンツ

 

ジャイアンツ打線のキーマンの1人になりそうなのが松原聖弥。外野の層は厚いですが、昨シーズン以上の活躍を期待しています


 各地で選手たちの自主トレも熱を帯びてきて、2022年シーズンがいよいよ始まるんだなって感じますよね。今オフは選手の動きも日本ハム西川遥輝楽天大田泰示DeNA、またFAで中日又吉克樹ソフトバンクに移籍したぐらいで、びっくりするような大きな動きはありませんでした。ジャイアンツも新外国人選手こそ獲りましたが、大型補強に踏み切ることもなく、こっちが「あれ、なんでだろう? ホントに大丈夫なのかな……」って思っちゃうぐらい静かなオフだったなという印象です。

 これまではリーグ優勝、日本一になってもオフになれば補強をしてきました。勝ったのにまた選手を獲るんだ、あんなに機能していたオーダーをいじるんだと思ってきましたけど、一流と呼ばれるプレーヤー(イチローなど)が打率3割5分を打っても、それこそ首位打者を獲ってもフォームをいじったり、微調整したりしますよね。それと同じように常にチームも止まることなく、進化、昇華させていくことが必要なのかなと。だからこそ、昨シーズンは3位に終わっただけに今オフはすごいことになりそうだなと思っていたら、驚くほど動かなかった。それが球団なのか、原辰徳監督の方針なのかは分かりませんけど、現状の戦力で2022年は勝負するんだということですから、それはそれで楽しみな部分もたくさんあります。

 それこそ野手では松原聖弥。彼の成長というのはジャイアンツにとっては非常に大きなポイントになりますし、僕としては松原と吉川尚輝のさらなる飛躍に期待したいです。中軸には右の坂本勇人岡本和真がいますから、左でなおかつ機動力も使える松原と吉川がさらに機能すれば、相手チームにとっては相当厄介な打線になるはずです。

 あとは投手陣がどこまで奮起できるか。特に菅野智之は昨シーズン6勝(7敗)に終わったことで期するものがあるでしょうし、最低でも14か15は勝ってもらわないと。それだけ勝つということは年間を通して好不調の波も少なく、先発ローテの中心で回るということ。それに菅野のもたらす1勝というのはただの1勝ではなくて、チーム全体にも影響を及ぼしますから。菅野で勝つか、負けるかで優勝の行方は大きく変わってきますし、スーパーエースの復活に注目していきたいと思っています。

完全復活が待たれる菅野智之。エースとしての意地を2022年シーズンは見せてほしいです


 ただ、ホントにセもパも実力が拮抗(きっこう)して、どこが優勝するかは誰も分からないですよね。昨シーズンのように前年最下位だったチームがいきなり優勝、日本一になるかもしれませんし、逆に優勝したチームが一転して最下位に落ちる可能性だってあるわけですから。だから前回のコラムでも触れましたが、毎年恒例のナカイ的順位予想はやりません。もう、ドシロウトの僕にはまったく分からないですから(笑)。でも、これだけははっきりと言えます。2022年のペナントレースは過去一番面白いシーズンになるんじゃないかなと! 想像もできない展開、また新たなスターの誕生にも期待しながら、開幕を心待ちにしています。

PROFILE
なかい・まさひろ●1972年8月18日生まれ、神奈川県出身。俳優業だけでなく、司会者としての才能も発揮。「NHK紅白歌合戦」をはじめ、多くのテレビ番組で司会を務めている。プライベートでは大の野球好きでもあり、2013年には「WBC侍ジャパン公認サポーター」、第4回WBCでも「公認サポートキャプテン」に続いて「世界野球プレミア12 侍ジャパン公認サポートキャプテン」も務めるなど、豊富な知識とあふれる野球愛でその活躍の場を広げている。
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