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中居正広コラム第71回 交流戦で思ったこと

 

交流戦でホームランを量産した大山悠輔阪神逆襲のキーマンになりそうです


 今年の交流戦、皆さんはどんなふうに見ましたか? 僕が一番に感じたのは後半戦に向けて阪神の大逆襲が始まるんじゃないかなという予感でした。エースとして抜群の安定感を見せた青柳晃洋、完全に復調した大山悠輔、近本光司。投打に柱がいる阪神の勢いは、まだまだ続くような気がします。セの順位争いはさらに混沌として、面白くなってきそうですね。

 あと気になったのは交流戦前から顕著になっていた「投高打低」の傾向です。交流戦でもDeNA今永昇太がノーヒットノーランを達成しましたが、チーム防御率を見ると2点台のチームも多く、特にパは日本ハムを除く5球団が2点台(6月13日現在)ですからね。これはホントに驚きの数字です。

 一方、打撃成績を見ると打率3割台をキープしているバッターはセ・パ合わせてもわずかに7人。交流戦も制して、セの首位を独走しているヤクルトにおいては、1人も3割打者がいないという状況です。交流戦でもこの投高打低の状況は変わらなかったな〜というのが僕の印象でした。シロウトにはなぜそうなっているかの理由なんてさっぱり分かりませんし、ホントに誰かに要因を教えてほしいです(笑)。

 あとはプロ1年目の若い選手の活躍も目を引きましたよね。ルーキーの上川畑大悟(日本ハム)がいい活躍を見せましたし、同じく1年目の丸山和郁(ヤクルト)もプロ初安打をマークしました。若い力の台頭はいつ見ていても気持ちがいいですよね。でも、長いシーズンを過ごした経験がない彼らにとってはこれからがまさに正念場。疲労がたまる夏場をどう乗り越え、力を発揮し続けることができるのかが課題になってくるのかなと。だからこそ、この先は経験豊富な主力やベテラン勢の存在がより重要になるような気がしています。

 そういう意味では一軍復帰初日に3打席連続安打で連敗を止める活躍を見せた坂本勇人(巨人)はやっぱりさすがのひと言! 少し調子を落としていたチームの雰囲気を変えてくれました。ただ、依然としてジャイアンツの捕手事情は気になるところです。大城卓三が二軍調整中(6月17日に一軍昇格)で、現在は小林誠司山瀬慎之助の併用という形で戦っています。リードだけでなく、打撃と肩の強さも重要視されますので、首脳陣もいろいろと考えているのかなと思いますが、もちろんホントは扇の要とも言えるポジションですし、誰かに固定したいはず。

ベンチで戦況を見守るジャイアンツの阿部慎之助コーチ[写真中央]。自身のような打てる正捕手の育成に期待しています


 そうなると僕は「阿部慎之助」を推したくなっちゃうんですよね(笑)。いつもベンチにいるわけだから、今もやれば全然できるんじゃないかなって。もちろん冗談で現実にはありえないことなのですが、でもマジメな話、彼のような絶対的な捕手がまだいないということ。だから僕は阿部コーチにこう言いたい。「早く第2の阿部慎之助を育て上げてください!」と。もちろん、それがどんなに難しいことかは分かっているんですけど、阿部コーチの手腕に期待しています。

 さて、交流戦も終わって戦いは通常のペナントレースに戻ります。これからセ・パともにどんなドラマが待ち受けているのか。また、どんな結末を迎えるのか。プロ野球で暑い夏を乗り越えましょう!

PROFILE
なかい・まさひろ●1972年8月18日生まれ、神奈川県出身。俳優業だけでなく、司会者としての才能も発揮。「NHK紅白歌合戦」をはじめ、多くのテレビ番組で司会を務めている。プライベートでは大の野球好きでもあり、2013年には「WBC侍ジャパン公認サポーター」、第4回WBCでも「公認サポートキャプテン」に続いて「世界野球プレミア12 侍ジャパン公認サポートキャプテン」も務めるなど、豊富な知識とあふれる野球愛でその活躍の場を広げている。
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