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中居正広コラム第74回 歴史を塗り替える22歳

 

球史にその名を刻む活躍を見せている村上宗隆


 ヤクルトの村上宗隆がすさまじいですね〜。8月にマークした5打席連続ホームランも度肝を抜かれましたけど、そこから先の勢いもハンパない!! もう、これだけ打っていると昨シーズンの大谷翔平のときもそうでしたけど「また打った!」の連続ですよね。過去に僕はイチローがヒットを重ねるたびに「すげーな!」という言葉を人生で一番多く使いましたけど、村上に対しては「また打った!」「今日も打ったの!?」ってもう何度言ったことか(笑)。

 特に今シーズンのプロ野球は開幕から投高打低で、現時点(成績はすべて9月18日現在)で30本以上のホームランを打っているのはセ・リーグでは村上だけ。パ・リーグも山川穂高(西武)しかいないわけですから、いかに村上が異次元で突出しているか。しかもすごいのはホームランだけではないこと。フォアボールの数も2位に大差をつけて111を重ね、打率もリーグトップの3割3分前後をキープし続けているわけですから。ぶっちぎりで1位の打点と合わせて史上最年少での三冠王への期待もふくらみますし、ここまで来たら2004年の松中信彦(ダイエー)以来となる大きな勲章をぜひ手にしてほしいですよね。

 それにしてもこんなにすごいバッターがまだ22歳というのは驚きしかありません。技術の高さはもちろんですが、バッターボックスでの雰囲気や所作が抜群にいい。インタビューを聞いていても自分の言葉をしっかりと持っていますね。もちろん、そこに辿り着く過程にはこれまでの育ってきた環境、ヤクルトというチームの育成力の賜物でもありますが、あとは自分ではどうすることもできないタイミング、めぐり合わせもありますよね。もし守れるポジションが埋まっていたら、いくら村上でもこんなに早く出てこられなかったかもしれませんから。そういった運もスーパースターになるための条件の1つだと思いますし、村上は間違いなくその階段を上り始めましたよね。しかも、とてつもないスピードと勢いで。

 そうなると高卒での入団、左のスラッガー、背番号も同じ「55」ということで松井秀喜と比べられることも多いですが、松井と対戦したことがあるOBの方たちは間違いなく松井クラスかそれ以上かもと口をそろえて言っていますよね。当時と現在では持っているデータの質や量、野球も違うので、どっちが上だとかは一概には言えないですけど、球史を塗り替える活躍をこれから先も見せていってほしいですね。

末恐ろしい22歳から目が離せませんね


 あとは最近、この時代にこうやって毎日野球が見られてよかったなってつくづく思うんです。僕に野球の面白さを教えてくれた父は、現在の大谷や村上の活躍を知らないまま亡くなってしまいましたから。生きていればきっと今の僕と同じように「また打った!」って言っていたでしょうから(笑)。そんなこともふと考えながら、話題を集める2人の歴史的な活躍をリアルタイムで見られる幸せを日々感じているナカイです。

PROFILE
なかい・まさひろ●1972年8月18日生まれ、神奈川県出身。俳優業だけでなく、司会者としての才能も発揮。「NHK紅白歌合戦」をはじめ、多くのテレビ番組で司会を務めている。プライベートでは大の野球好きでもあり、2013年には「WBC侍ジャパン公認サポーター」、第4回WBCでも「公認サポートキャプテン」に続いて「世界野球プレミア12 侍ジャパン公認サポートキャプテン」も務めるなど、豊富な知識とあふれる野球愛でその活躍の場を広げている。
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