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野球界の裏方仕事人

ソフトバンク データ分析担当・関本塁 データよりも大切なコミュニケーション 「自分のなれなかったプロ野球選手という夢を叶えた選手たちをリスペクトしています。だから、いい結果が出てほしい」

 

よりよいデータ活用のために、「データ分析担当ディレクター」としてチーム強化システムの開発に携わった。これを用いて、チームは同じ方向を向いて戦っている。しかし、データはあくまでもデータ。大事なのは選手自身の感覚と語る。データをベースとしてのコミュニケーションが強いチームをつくり出している。
取材・文=菅原梨恵、写真=湯浅芳昭

球団統括本部 チーム戦略室 データ分析担当ディレクター◎43歳/勤続6年9カ月


チーム強化システムで情報を一括管理


 スポーツの分野でもデータ活用は今や当たり前となり、データの濃度は年々、高くなっている。プロ野球界でも『セイバーメトリクス』と呼ばれるデータを統計学的見地から客観的に分析し、選手の評価や戦略を考える分析手法などが広く知られ、もともとは軍事用レーダーとして開発された『トラックマン』(高性能弾道測定器)が各球団の本拠地に次々と導入。ピッチングやバッティングの細かい挙動(ボールの回転数、初速や終速、軌道など)データを集積、分析し、選手の技術向上や戦略に役立てている。

 データ活用に関して、ソフトバンクは12球団の中でも進んで新しい取り組みを行っているチームと言えるだろう。球団内で中心的な役割を担っているのが球団統括本部のチーム戦略室。関本塁さんは同部署でデータ分析担当ディレクターを務め、主に球団内業務のIT化推進を担当している。具体的には、新しいデータ取得システムの導入、調査などのほか「球団内業務を統括するシステム(チーム強化システム)があって、そのプロジェクトマネジャーをしています」。

 関本さんが開発に携わったチーム強化システムは、練習や試合の映像、ボールの回転数などのトラッキングデータ、医療データ、12球団の選手の成績やプロフィルなどが集約されている。情報量もさることながら・・・

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舞台裏の仕事人

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