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裏方物語 チームを支える仕事人

日本ハム 株式会社ファイターズ スポーツ&エンターテイメント 事業統轄本部 本部付・谷口雄也 チームと北海道への恩返し「ファイターズをもっと知ってもらいたい、もっと応援してもらいたい」

 

パワフルにしてスピーディーなプレースタイル、何より愛くるしい笑顔でファンを魅了したスラッガー。ケガもあって昨季限りでユニフォームを脱いだが、新たな職場も「ファイターズ」だった。新球場のPRからアカデミーのコーチまで、「元選手」の肩書を生かしながら、ファイターズと北海道のために力を尽くしている。
取材・構成=杉浦多夢 写真=北海道日本ハムファイターズ、榎本郁也、BBM


記憶に残る選手


 2016年の日本一に貢献し、さらなる飛躍を期待されていたが、翌17年の春季キャンプ中に右ヒザ前十字じん帯損傷のアクシデントに見舞われ、手術を余儀なくされた。完全復活を遂げることはできぬまま、昨年限りでユニフォームを脱ぐことを決断したが、「ファイターズに、北海道のファンに恩返しがしたい」という思いは強く、選手とはまた違った形で再びファイターズへと舞い戻った。

 昨シーズンはケガの影響もあり、悔いのないように野球生活を終えたい、自分の身の引き方というものを考えながら行動していたところがありました。何より今のプロ野球のレベルを考えると、満足な体の状態になったとしても一軍の選手としてやっていくビジョンが見えなかった。そういう意味では、昨年の取り組みというのは、悔いなくできたのかなと思います。

 若いときからたくさん試合に使っていただきましたが、11年間のプロ生活で言ってしまえば、谷口雄也というプロ野球選手はたいした成績を残しているわけではありません。それでも日本一になった2016年はキャリアの中で一番試合に出ることができました。日本一を経験できないで引退する選手も多いですし、何よりユニフォームを脱いだ今でも、北海道のファンの方々に声を掛けていただける。僕の名前を知ってくれている。地域密着型の北海道のチームで、たくさん応援してもらい、皆さんの記憶には残っているのかなと思うとうれしいですね。

 引退を決め、ファンフェスティバルでは引退セレモニーもしていただいて、何かファイターズに、北海道に恩返しすることはできないかという思いを持っていました。逆オファーではないのですが、僕のほうから「ファイターズで北海道の力になることはできませんか」とお話させていただきました。そうしたら・・・

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