試合前、そしてイニング間に歌声が響きわたる。昨季に就任したオリックスの新リポーターは、“うたえる”新スタイルを築いた。スタンドからの声援が選手の背中を押すだけに、球場を盛り上げる演出も確かなチームの力だ。1人でも多くのファンを球場に呼び込むためアナウンス、リポート、そして歌でも声を出し続ける。 取材・構成=鶴田成秀 写真=球団提供、BBM 独自のスタイル
長所をアピールしてつかんだ前例のないポジション。だからこそ、苦労もある。球場を盛り上げるためには、何が最善か――。独自のスタイル構築へ試行錯誤を続けるが、準備は欠かさない。それが、新たな演出を生んでいく。 好きなことって、人それぞれあると思うんです。私にとっては音楽です。小学生のころから歌やダンスを学び、高校時代は吹奏楽部に入って『音楽の道』を志して大学卒業後も音楽活動をしていました。ライブに出演したり、オーディションに出たりする日々の中で、自分の強みを生かせるものがないかなと探していたとき、知人に「オリックス・バファローズのスタジアムリポーターを募集しているよ」と教えてもらったんです。人に話をするのは得意ではなく、不安もあったんですけど、自分の強みをアピールしてみようと応募しました。ギターを弾ける、歌が歌える。その強みを生かしてチャレンジしてみたい。面接の場でも、その思いを伝え、昨年からリポーターを務めさせていただくことになったんです。
なので『うたえるリポーター』は、結果的にできた肩書き(笑)。もともと募集していたのは、リポーターなので、“うたえる”は、あとから付いたことなんです。でも、その“うたえる”ことこそが私の強み。トークが得意ではなかったので不安は大きかったですが、不得意なことを考えるより、強みである音楽をどのように取り入れていくか、音楽を交えて、どんなふうにお客さんにチームの魅力を伝えていこうかと考えていました。今も試行錯誤しながらやっていますが、リポーターとしてオリックス・バファローズの魅力を伝えていきたいという一心です。
私自身、野球の知識は試合を楽しく見られる程度……。選手のことを詳しく知っているわけでもないし、バファローズの大ファンというわけではなかったので・・・
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