あきらめない姿勢が、現在の夢につながっている。中学、高校の野球部ではベンチ外も、海外での武者修行を経て、メジャー・リーガーのパーソナル・トレーナーも担っている。経験や一流選手からの学びを、日本の子どもたちに伝える。野球の魅力を広い視野で捉え、挑戦する人をアシストしている。 取材・文=相原礼以奈 写真=BBM 
野球指導者・谷口容基
ベンチ外からの挑戦
原点にあるのは、悔しい思いだった。谷口容基さんは、小学3年から野球を始めるも、中学で控え選手、進学した西条農高でもベンチ外。「練習試合も、片手で数えられるほどしか出られなくて」。野球部の同級生27人で、一人だけ一度も公式戦に出ることなく高校野球を終えた。
創価大入学時は周囲のレベルに圧倒され、硬式野球部の入部を断念。準硬式野球部で競技を続け、1年秋ごろから試合を経験し、2年時には全国大会にも出場。3年夏に引退し、4年生からはクラブチームの西多摩倶楽部に所属して硬式野球に復帰した。
大学卒業後は関西独立リーグの06 BULLS(現大阪ゼロロクブルズ)でプレー。選抜チームに選ばれるなど結果を残したが、翌年の独立リーグのトライアウトでは所属球団が決まらず。
野球を断念することも考えた矢先、知人からドミニカ共和国の野球の話を聞く機会があった。興味を持ち、一念発起して海を渡ったのが2015年だった。
「ドミニカでは最初、野球以外のところがすごく大変で。僕はスペイン語を学校で勉強したことがなかったので、まったく会話ができないような状態。日々とにかく人と話すことで慣れていきました」
ドミニカ共和国の地域リーグで活躍し始め、MLB入りに向けてトライアウトを受けることに。その際の宿舎のルームメートが、現在エンゼルスでプレーするコロンビア出身のグスタボ・カンペロ選手だった。ともに練習をするなど交流を深めたカンペロはその後
ヤンキースと契約し、ルーキーリーグからキャリアをスタートさせている。
一方で、複数球団のトライアウトを受けるも結果に恵まれなかった谷口さんは、翌16年1月に知人の伝手で・・・
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