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巨人・鈴木尚広のコラム

今週のテーマ「プロ入り秘話とルーキーのころ」

 


当連載の著者、鈴木尚広選手への質問を募集します。上記のリンクからお寄せください

延長15回とホームランがターニングポイント


ドラフト後の新入団選手発表会見での一コマ。1997年の入団で、同期は写真前列右から入来祐作長嶋茂雄監督を挟んで小野仁、後列右から宇野正美、三澤興一、鈴木尚広、堀田一郎


 プロ入りに際してはちょっとしたエピソードがあります。巨人入団後に当時スカウトをされていた津末英明さんに教えていただいた話で、高校卒業後の進路についてまだ具体的には考えていなかった、2年生春のことです。福島大会開催中のある日、津末さんはマークしていた選手をチェックするために会場を訪れたそうですが、目的の第2試合が試合開始時間になっても始まらない。第1試合が延長に突入していたためで、何気なくその試合を見ていたそうです。そのときグラウンドにいたのが僕ら相馬高で、延長15回にもつれ込む大接戦でした。そこで僕はホームランを打つのですが、これを見ていた津末さんが僕の名前をリストに加え、翌1996年のドラフト指名につながった、という話です。延長にならなかったらホームランはなく、そもそも津末さんに見てもらえる機会も訪れず、今の僕はなかったかもしれません。このエピソードを思い返すたびに運があったなと思いますし、人生が変わる大きなターニングポイントだったと感じます。

 ちなみに高校時代、プロ入りへの想いは「まったく」といっていいほどありませんでした。相馬高を選んだのも甲子園に出たいという想いからではなく、野球が好きな選手が集まり楽しく真剣に取り組める環境だったから。ですから、野球が好きという気持ちとプロを目指すことは、その当時はまだリンクしませんでした。そんな高い目標設定をしていなかった、ということです・・・

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鈴木尚広『快足の“すゝめ”』

鈴木尚広『快足の“すゝめ”』

普段の様子ももちろんですが、特に僕とは切っても切り離すことができない“走塁”について、考え方(僕の哲学)やテクニック、トレーニング方法などをお伝えしていければと思っています。

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