週刊ベースボールONLINE

立浪和義のコラム

中日・田島慎二の快進撃を支えるある球種

 

 今回は、開幕から30試合連続無失点を続けているドラゴンズの田島慎二選手を取り上げます。実は、まさにこの話を書いているときに、セットアッパーから抑えへの配置換えがありましたが(21日から)、私は以前から早く抑えにしたほうがいいと思っていました。

 今シーズンのドラゴンズで、田島選手はもっとも信頼できるピッチャーです。ただ、いまの好調さなら当然なのですが、セットアッパーということで、どうしても僅差で負けている試合や同点でも起用されます。今年のセ・リーグは混戦が続き、おそらく、夏場勝負となっていくと思いますが、このままでは登板数が多くなり、どこかでバテてしまうのではないかと思ったからです。抑えになれば、基本的に勝ちゲームの9回での起用となりますから、出番も多少減るし、自分の出番が分かって準備できます。チームとしては8回に多少苦労するかもしれませんが、いい投手を長持ちさせるためには、そのほうがいいと思っていました。

 田島選手はプロ5年目。もともと球は速かったのですが、多少制球に難がありました。それが昨年、スリークオーターだった腕をさらに下ろしてサイド気味にしたことで、フォームのバランスがよくなって、制球が安定し、スライダーの曲がりも大きくなりました。それが昨年の活躍にもつながっています(64試合登板、4勝6敗9S16H、防御率2.28)。

 今年さらによくなったのは、シンカー系の球ですね。握りを見るとスプリット系のようですが、シンカー気味に沈む変化をします。以前から投げていたとは思いますが、今年は、この球が・・・

この続きはプレミアムサービス
登録でご覧になれます。

まずは体験!登録後7日間無料

登録すると、2万本以上のすべての特集・インタビュー・コラムが読み放題となります。

立浪和義の「超野球論」

立浪和義の「超野球論」

そのときどきで気になった選手や試合、さらに、私が感じたポイントについて書いていきたいと思います。野球をより深く知りたいという方、また、もっともっと野球がうまくなりたいという中学、高校生のみなさんにも参考になる連載になればと思っています。

関連情報

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング