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プロ野球デキゴトロジー/5月5日

衝撃のデビュー! ヤクルト・ホーナー旋風巻き起こる【1987年5月5日】

 

歓声にこたえるデビュー戦のホーナー。当初は紳士的な対応が目立ったのだが…


 プロ野球の歴史の中で、日付にこだわって「その日に何があったのか」紹介していく。今回は5月5日、「子どもの日」だ。

 今年もオリックスロメロら大きなインパクトを与えた新助っ人が来日したが、年々小粒になっている印象は否めない。かつては日米球界の実力差がいま以上に離れており、かつMLBの情報が少なかったことでファンの“妄想”が膨らみやすかったことも一因だ。

 ただ、このときは妄想も何もない。1987年5月5日にデビューした助っ人は、日本プロ野球史に最大級のインパクトを残し、球界関係者は、自分たちの価値観が崩れ去りそうな恐怖心さえ覚えた。

 その男の名はボブ・ホーナー。前年までアトランタ・ブレーブスでクリーンアップに座っていたバリバリの現役メジャー・リーガーだ。FA宣言したが、契約金を抑えるために各球団のオーナーが高額の契約金での獲得を控えたことで、まさかの“浪人”になってしまい、急きょヤクルトと契約することになったのだ。

 5日、神宮での阪神戦でデビューし、いきなり仲田幸司からホームラン。翌6日の同カードでは3本塁打、9日の広島戦(佐世保)では2本塁打を放ち、デビューから4試合で11打数7安打6本塁打と打ちまくった。すさまじいスイングスピードと打球の飛距離でファンを魅了し、王貞治巨人)のシーズン記録55本塁打(当時)を抜き去るのでは、とまで言われたが、気難しい性格もあって、途中からやる気をなくし、緩慢プレーが目立つようになった。それでも93試合の出場で規定打席にこそ到達していないが、打率.327、31本塁打、73打点をマークした。

 そのまま1年で退団し、メジャーに戻ると、「地球のウラ側にもうひとつの違う野球があった」という“最後っ屁”のような日本球界の批判本を出し、ひんしゅくを買った。

写真=BBM
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