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新進気鋭“取材秘話”

石川慎吾、巨人らしくない男の魅力

 

ザビエルポーズもサラリとこなす石川慎吾。週刊ベースボール増刊2016年1月31日号『Brilliant Stars』より



 プレースタイルといい、取材対応といい、パ・リーグでもまれた若い選手には、巨人生え抜き選手からはなかなか感じることのできない荒々しさ(良い意味で)と、豪快さがあるように思うのは私だけでしょうか。

 週刊ベースボール6月5日号(5月24日発売※一部地域を除く)で、巨人の石川慎吾選手をインタビューしました。“ダイナマイト・シンゴ”の愛称もすっかり定着し、今季巨人の外野手で初本塁打(4月28日=ヤクルト戦、神宮)や、先発起用された六番打者で初打点(5月21日=DeNA戦、横浜)など、類まれな長打力をもってレフトのスタメンの座を手にしつつある24歳です。いつ何時でもフルスイングが身上のプレースタイルも、まさにパ・リーグ。インタビュー時も「危機感」を口にしながらも、太い芯と自信を感じさせる、実に堂々とした受け答えが印象的でした。

 今季開幕からセンターを任されている立岡宗一郎選手もそうでした。2012年途中にソフトバンクからトレードで移籍加入。ケガの影響で左打ちへ転向後、飛躍の年となった15年は当時の岡崎郁二軍監督(現スカウト部長)から「動物的にいきなさい」の指令を受け、超攻撃的な姿勢が奏功、後半戦にスタメン(一番・センター)に定着し、最終的に規定打席未到達ながら打率.304を残しています。真っ黒に日焼けしたワイルドな風貌と、本人も認める「ガツガツ行く」のスタイルもあって、“野性味あふれるリードオフマン”のキャッチコピーがピッタリでした。

 ちなみに、この年、指揮を執っていた原辰徳監督が、長らく低迷する打線に求めていたキーワードが「力強さとワイルド(野生)さ」。実力・実績は別にして、どこかおとなしい印象のある自軍のラインアップに不満を抱き、パ育ちでまだ“巨人”に染まり切っていない立岡選手を求めた、と推測できます。現在指揮を執る高橋由伸監督の石川選手起用にも、同じことが言えるかもしれません。

 そんな石川選手ですが、日本ハム在籍時代の昨年、 ファイターズの若手11選手に登場していただいたPREMIUM PHOTO BOOK『週刊ベースボール増刊2016年 1月31日号Brilliant Stars』では、私服姿でプロのモデルばりのポーズを堂々披露してくれています。本人いわく「ザビエルポーズ」を、今回取材時に1年ぶりに見返し、「コイツ、勘違いしとるな」とバッサリと斬りつつも、どんな仕事にも全力を傾けるプロフェッショナルな姿勢を感じました。今回のインタビューでも、巨人らしくない男・石川選手の魅力に触れていただけると思います。

文=坂本 匠 写真=BBM
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