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6試合連続2ケタ奪三振へ!こだわりが減っても「K」を積み重ねる楽天・則本昂大

 

5月17日の日本ハム戦(盛岡)で5試合連続の2ケタ奪三振をマークした則本



 5月23日現在、リーグトップの奪三振数(68)を誇る楽天則本昂大は、笑顔で「三振は気持ちいいですよ」と語る。それが見逃しだろうが、空振りだろうが関係ない。三振を奪ったことがない人には分からない感覚かもしれないが、その笑顔を見ると、一度でいいから三振を奪ってみたいと思ってしまう。それほど嫌みも嘘もない、うれしそうな笑顔なのだ。

 力で押す本格派右腕。それが則本のイメージであり、三振を奪う投手のイメージだ。だが、則本が三振を奪うために必要なのはコントロールだという。見逃し三振はストライクゾーンに決まってこそ。またストライクゾーンで勝負できるからこそ、バットを振ってくれる。奪三振王のタイトルは本格派投手のイメージが強いが、コントロールの良さも兼ね備えていなければ獲得することはできないのだと、あらためて教えられた。

 確かに、近年のタイトル獲得者を見ても、パ・リーグではダルビッシュ有(現レンジャーズ)、田中将大(現ヤンキース)、金子千尋オリックス)らコントロールのいい投手であることが分かる。「コントロールがピタって決まって、三振を取ったというのは、真っすぐでも変化球でも自分の技術が勝っているときなので」。ゆえに、特に見逃しで奪ったときの快感は格別だと話す。

 だが、実は則本は「一昨年や昨年に比べて三振へのこだわりは少なくなりました」という。「とにかく早いカウントで勝負して、守備の時間を短くすることを考えています」と投手としてさらなる進化を遂げようとしているのだ。

 それでいて、5月17日の日本ハム戦(盛岡)でパ4人目の5試合連続2ケタ奪三振をマークした。次戦でも2ケタ奪三振となれば、野茂英雄が残したリーグ記録に並ぶ。3年連続で同タイトルを獲得しながら、毎年数字を増やしている則本(2014年=204、15年=215、16年=216)。三振への欲をなくしながらも、さらにすごみを増した楽天のエースが今年はどんな数字をたたき出すのか、その投球から目が離せない。

文=阿部ちはる 写真=川口洋邦
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