交流戦の戦績と、近年の
巨人のペナントレース最終成績は、無視できない関係にある。セ・リーグを3連覇した2012年から14年は交流戦1位(セでは史上初)、3位、1位の好成績。13年は3位とはいえ、セ勢の中ではトップの成績であり、セほか5球団がパ勢に苦しめられる中で、着実に貯金を積み上げ、その後のリーグ制覇へとつなげている。
今季もセ・リーグトップで交流戦を終えることが、開幕直前の3位からジャンプアップするために必要な最低限のノルマといえるだろう。特に2年連続で3連敗を喫している
ソフトバンク、通算で大きく負け越している
ロッテとの対戦がポイント。今季は最後の2カードにこの2球団との対戦が組み込まれているだけに、それまでの12試合で貯金を積み上げておきたいところ。
ケガで序盤戦、1度も一軍昇格のなかったFA組の
山口俊、
陽岱鋼の交流戦期間中の復帰が噂されるが、その時期は不透明で彼らに多くを期待することはできない。一方で開幕一軍ながら不調で二軍降格した
森福允彦(FA)、
吉川光夫(トレード)の、パを知り尽くす両左腕はすでに復帰。降格以前よりも状態を上げており、前者には試合終盤の大切な場面で、後者には先発ローテーションの1枚として真価の発揮が望まれる。
この2人を含む投手陣は序盤戦、1勝10敗の対
広島以外には安定感を見せてきた。カードの頭を任される
菅野智之、M.
マイコラスの2本の大きな柱と、
田口麗斗が好調。投球術で勝負する3人で、破壊力のあるパ打線を丁寧に打ち取っていくことが求められる。5月に入り、中継ぎ陣に疲労の色が見え始めているが、S.
マシソン、A.
カミネロが控える8、9回は盤石。パ本拠地ではDH制もあるため、先発陣が長い回を投げ切ること重要だろう。
一方、打線は
坂本勇人、
阿部慎之助ら主軸は昨季のデータを見る限りパ投手陣を苦にしない。これに14年は
楽天でプレーしたC.
マギーが加わった。特に坂本勇、マギーは開幕から好調なだけに、その前にいかに走者を置くか、また出塁した彼らをいかにホームに招き入れるか、一、二番の出塁率と、六、七番起用の多い昨季まで日本ハムの石川慎吾の存在がカギを握っている。
写真=BBM