2012年以降は勝ち越しと負け越しが交互に続いていた交流戦。それに当てはめれば昨季は勝ち越しのシーズンとなるはずだったが、結果は前年を下回る勝率に終わり、2年連続で低迷。交流戦での巻き返しに失敗したチームはシーズン最下位に沈み、球団創立80周年のメモリアルイヤーを飾ることはできなかった。
今季は3年ぶり位勝ち越しを果たして中盤戦のバネとしたいところだが、見通しは決して明るくはない。
深刻なのが、試行錯誤が続く先発陣。左右の主軸と期待された
大野雄大、
吉見一起が5月28日時点で計1勝。大野は中継ぎでも不振で、5月21日に登録を抹消された。開幕から好投していたバルデス、ジョーダンもつかまる場面が目立つように。先発転向1年目の
又吉克樹や、プロ初勝利を挙げた
鈴木翔太、オフの左ヒジクリーニング手術から復帰を果たした
小笠原慎之介らフレッシュな力を借りながら、何とか6枚のローテーションを確立したい。
開幕からフル回転の続く
三ツ間卓也や
岩瀬仁紀、
田島慎二ら救援陣は疲労蓄積が気がかりなだけに、交流戦でもこれまでと変わらずに総力戦を強いられるようであれば、今後のシーズンにも大きな影響が及びそうだ。
野手も戦力十分とは言えない。開幕から安打を量産する
大島洋平が気を吐いているが、主軸の調子が上がらずに残塁となることもしばしば。5月に入って調子を上げている
ビシエド、
ゲレーロの両主砲がどれほどパ・リーグの投手に対応できるかが得点力を大きく左右する。
また、こちらも初の交流戦となる京田陽太にも注目。開幕スタメン遊撃手を勝ち取った有力ルーキーは、自慢の俊足を生かして足で存在感をアピール。5月は3割を優に超える月間打率を残すなど打撃も好調だ。パ・リーグのファンにも実力を示すべく、これまで以上に躍動するつもりだ。
平田良介や
高橋周平ら、力を発揮し切れていない主力も多く、交流戦を良いきっかけとして上昇気流に乗りたい。だが、相手は例年のようにセの打者を苦しめる手強いパ・リーグ投手陣。一筋縄ではいかない気かとなるが、ここで調子を上げることができなければ、今後のシーズンの見通しは暗い。
写真=BBM