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セパの最下位、ヤクルトとロッテはどっちが強い?

 

マスコット決戦ではヤクルト圧勝。ただ「謎の魚」はたぶんマスコットではない(6月11日、ZOZOマリン)


 パ・リーグ最強の座を競り合う楽天ソフトバンクの戦いは熾烈を極めているが、もう一つ、ひそかにささやかれている、熾烈ながら特に熱くはない戦いをご存じだろうか。

 両リーグ最下位のヤクルト対ロッテ。いわば最弱決戦である。6月19日、交流戦終了時点ではヤクルトの25勝39敗1分に対し、ロッテは20勝45敗1分とヤクルトが圧倒的(?)に強かったが、ヤクルトの13連敗もあって急接近。7月20日時点ではヤクルトの28勝55敗2分、勝率.337に対し、ロッテが27勝55敗1分、勝率.329となっている。もはや勝ち星1つの差しかない。

 では、両者はどちらが強いのだろうか(弱いのか)。

 数字を見ていくとチーム打率はヤクルトの.229、ロッテは.222と大差ない。三振がリーグ最多645のロッテに対し、リーグ5位572のヤクルトという違いはあるが(楽天・則本昂大の連続2ケタ奪三振試合記録をヤクルトが止めたのは、実は根拠があったのだ)、得点がヤクルトの276に対し、ロッテが262だから、正直、「だから何?」という程度ではある。

 チーム防御率はヤクルトの4.01の対し、ロッテが4.64。どちらもリーグ最下位ながら、投手力ではヤクルトが勝っている。さらに、ホームでの勝敗もヤクルトの19勝18敗に対し、ロッテが16勝25敗と内容的には、ややヤクルト優位と言っていいだろう。

 勝敗が拮抗しているのは、同リーグ内での対戦成績で全チームに負け越しのヤクルトに対し、ロッテが“オリックス銀行”で10勝6敗と勝ち越し、多少息をついているからでもある。さらにいえば、この無残な状態でありながらロッテと5位・日本ハムのゲーム差はわずか3.5。楽天、ソフトバンクの2強争いの陰で、パの下位は、なんとも摩訶不思議なことになっている。

 直接対決はどうかと見れば、交流戦(すべてZOZOマリン)ではロッテが2勝1敗と勝ち越し。マスコット戦線では、6月11日の3戦目でロッテの「謎の魚」が、ヤクルトのつば九郎にボコボコにされたが、それにより謎の魚は第3形態に進化……。なんとも優劣(劣と大劣?)がつけづらい対決ばかりだ。

 どちらかが(ついでに日本ハムも)1日も早く、この異常事態から脱出できることを野球専門誌として切に祈りたい。

写真=松田杏子
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