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高校野球リポート

斎藤佑樹と清宮幸太郎は違う

 

11年前の9月、進路表明会見を行った斎藤


 斎藤佑樹清宮幸太郎は違う。2人を教えた早実・和泉実監督は言った。

 何が異なるのかと言えば、注目度。指揮官は「斎藤は、私の手を離れてからですから」と説明した。

「ハンカチ王子」「佑ちゃん」とフィーバーが過熱したのは、高校3年夏の甲子園期間中であり、早実として初の全国制覇を遂げて以降、さらにヒートアップした。

 一方で和泉監督が「清宮と似ているのでは」と言うのは、1980年の1年夏から5季連続で甲子園に出場した荒木大輔氏である。

 荒木氏は1年夏の甲子園で準優勝。「大ちゃんフィーバー」により、以降、ファンに追っかけられ、取材攻勢も半端ではなかったという。清宮は中学1年時(東京北砂シニア)に世界一を達成。この大会で投手としては130キロ超、そして特大ホームランも連発して「人生が変わった」と振り返る。父・克幸氏が日本ラグビー界の名将という家庭環境も加わり、清宮は荒木氏よりも約5カ月早い高校入学した1年春から現在まで、常に脚光を浴びる立場にある。

 2006年9月11日。早実の「小室哲哉記念ホール」には200人近い報道陣が集まった。学内には各テレビ局の中継車が続々と乗り入れ、異様な光景だった。斎藤の「進路表明会見」が行われ、夕方のワイドショーでは生中継されるなど、日本国民全体の関心事となった。

 当時「大学進学」を表明した斎藤に対し、清宮はどんな決断を下すのか。

 さて、話は逸れるが、早実と同じ早大の系属校である早稲田佐賀が7月23日、野球部創部8年目にして春夏を通じ甲子園初出場を決めた。応援、寄付金ら「甲子園対応」のノウハウがない早稲田佐賀は名門・早実に頼ると、同校は可能な限りの資料を提供したという。

 清宮は言った。「早稲田の風が吹いている」と。斎藤の「進路表明会見」から11年。清宮に関して、こうした場があるかは不明だが、混乱を避ける意味でも記者会見を設定したほうが賢明だと思われる。すでに、我々の知らないところで、学校関係者は密かにかつての資料を引っ張り出しているかもしれない。

文=岡本朋祐 写真=BBM
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